あまりに想いがいっぱいで、どこを糸口に書き始めたらいいか分からないまま、でも、書き留めておきたいと思った作品。
落ち着いて、さて書き始めようと思ったら、自分の気持ちを解釈する感じになって、なんだか違うなあと思ってたのだけど、ヒトの感想を読むと、また想いが湧いてきて、書きたいと思う。
なので、ヒトの感想を読むのが好き。
一緒じゃなくても。
さて、シゲさんは、ヒモです。でも、もとは、普通のカタイお仕事、妻と子どもと、幸せに、平々凡々と暮らしていたんじゃないかと思う。
そして、明美に出会った!
で、妻や子を捨てて、駆け落ちしてきてしまった。
妻も子も大切だし愛しているけれど、明美との烈情に抗えなかった。
なので、妻や子を捨てたワルいヒモとストリッパーになることにしたんだと思う。
ほんとは明美のことを愛していて、幸せにしてやりたいと思っているけれど、そうしてしまったら、あまりに妻や子が可哀想だし、自分を許せないから、どうしてもワルいヒモでなくちゃいけない。
なので、明美が、学生さんと駆け落ちするといえば、辛くて、酔い潰れて布団にくるまってても、幸せになれと大口を叩くし、明美を枕営業に行かせろと頼まれれば、「ようがす』と受け入れる。絶対、嫌だけど。もしかしたら、明美がいやとヒステリー起こして、無しになったらいいなとか思ってるのかもしれない。ずるいね。
でも、そうしないとダメなの。シゲさんの価値観の中で、自分は、ダメなヒモで、明美ははすっぱなストリッパーじゃないといけないから。
で、明美にどうしてもいやと縋られれば、勘弁してくださいと頭を下げる。地獄の底から出てるみたいな暗い声で。
「そんなに嫌なら断ればいいじゃない!どうして、いいって言ったりするの!!」
(それが、最後のシゲさんの譲れない一線なんんだと思う。捨ててきた妻や子たちへの)
もうどうにもならなくて、結局、明美が、私が行く!と男前に受け入れる。
で、シゲさんは、おろおろと外で待ってるんだけど、やっぱり強がって、ヒモどうし、共感しあったり、明美はここがいいたら、こうしてやるのが好きたら、いろいろぐずぐず言ってるんだけど、シゲさんが見つめてるのを知ってる明美が窓から顔を見せる。
きっと、縋り付くような、泣きそうな顔をしてる。
しょうもないあんぽんたん😭
愛しくて…
で、明美が、顔をしゃんとあげて出てくる。2人とも強がって、明るく振る舞って、「明美」「アンタっ!」
月まで届くセックス。いや、大ボラだから。
でも、明美が無事帰ってきて嬉しい感もあるし、愛してるもあるし、号泣しながら、泣き笑い。なんか、泣いてるのを、シゲさんが、面白おかしく話して、慰めてくれてるような感じもある。相手は、私たち客席かもしれないし、明美かもしれない。
一生懸命、汗みどろになって、身を乗り出して話してくれるから。
もう訳わかんないけど、うんうん、て。
とにかく、シゲさんも明美も、完全に大ボラと妄想って分かる過激なセリフが多くて、しんみりしてないの。意地でも、明るく。
ただ2人っきり、世の果てで、生活なんかなく、愛だけに生きる。
死ぬほど、あたたかい家庭生活を渇望しながら、それだけは、捨ててきた妻と娘に残しといてやらないとダメだから。
2人っきり、月明かりの中、世間の規範なんかに縛られないで、ヒトん家の牛乳飲んじゃったり、新聞読んだり、じゃれ合いながら帰る。
幸せで、じんわり淋しくて、夢みたい。
前説でね、「今宵の月のように」を歌った日があって、こんな月明かりの中、2人は歩いてたのかなと思った。
長くなったので、続く。