言うまでもなく、
なでしこJAPANはパスサッカーを標榜しています。

理想はFCバルセロナでしょうが、
あのレベルに達するには
小学校低学年から徹底的に鍛え上げないと
到達出来る境地ではありません。
バルサは世界中の天才少年をスカウトして、
更にフルイにかけていますからね。

この間、仕事中に子供達の練習風景を
眺める機会がありました。
見た感じ小学校1~3年生くらいでしょうか?
3対1のパス回し練習をしていたんです。
要は3人でパスを回して、
3人に囲まれた1人が
ボールを奪うという練習ですね。

残念ながら、パスが繋がらなくて
練習になっていないんです。
まずパスが狙った所に出せない。
更に受け手は突っ立ったままなので、
結果パスを後逸する。
回す以前の問題です。
果たして子供達は目的と意図を
理解しているのでしょうか?
コーチは説明しているのでしょうか?

インサイドキックやトラッピング等の
基本に立ち返った方が良いハズなんですが、
基本練習や反復練習は子供達が嫌がりそうで
頭を悩ます所だろうなと思いました。
真剣さの度合は子供それぞれで当然違います。
遊びの延長と考えているのか?
それとも上手くなって試合に勝ちたいのか?
親御さんの思惑も違います。
健康増進の延長線上か?
それとも我が子をJリーガーに?(極端?)

なでしこに話を戻しますが、
「あんなにパスサッカーに固執しなくても・・・」
という意見が仲間内で出ましたので、
少し反論しました。
おそらく対アメリカ戦で
随所に目立ったパスミスを心配しての
上記コメかと。

1つ目は
「身体能力を補う為のパスサッカー」
跳んだり走ったりのフィジカル勝負では
やはり欧米勢には敵わないんです。
俊足の鮫島ちゃんでも
追い越されるんですから。
だからこそボールに「走って」もらう。
ボールは誰よりも速いし、疲れない。
文句も言わないw

2つ目は
「主導権を握る為のパスサッカー」
ボールを支配すれば、結局疲れないんです。
ボールを奪う為に、更に体力を消耗しますから。
相手をヘバらせて、足が止まったところで
チャンスを作り、ゴールを決める。
勝負の定石ですね。

3つ目は賛否両論あるでしょうが、
「速攻イコール拙攻」
余り手数を掛けないで
ゴールまで持ち込むスタイルが絶対なんだと
信じられていた時期がありました。
イングランドのサッカー協会では
遥か昔に論文まで出ておりまして、
結構最近まで神聖視されておりました。
また、アテネ五輪(2004年)のU-23日本代表は
高い位置でボールを奪い、手数を掛けずに
一気にフィニッシュまで持って行く
スタイルを追求していました。
どちらもデータに基づいた理論なんですね。
「過去の得点パターンの殆どはコレだ!」みたいな。
確かに高い位置でボールを奪うのは大事です。
時には速攻を仕掛けるのも有効でしょう。
でも、そればかりではダメなんです。
イングランド代表がW杯を制覇しましたか?
山本JAPANがアテネで好成績を残しましたか?

勿論、戦術はトレンドという側面もあり、
10年先は別の戦術が・・・かもしれません。
ただ、今はバルセロナやスペイン代表が
欧州CLやW杯で結果を残しています。
高い技術に裏打ちされたパスワークは
身体能力頼みの「ラグビーサッカー」を凌駕出来ると
証明しています。
ですから、なでしこJAPANには
パスミスを恐れず、今のスタイルを貫いて欲しいです。

そういう観点で、5日の対ブラジル戦を御覧頂くと、
面白い発見があるかもしれませんよサッカー