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米国主要新聞の社説・論説を日本語で伝えるブログ

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ワシントンタイムズ

Trade wars are loosing proposition

 12月14日、中国商務省が米国からの輸入車関税を大幅に引き上げた。米国にとってこの増加分の総額は45億ドルにも上る。実はこれはオバマ政府が中国からのタイヤ輸入に関して国内企業の保護を目的として相殺税をかけたことに対する報復、つまり通商戦争に踏み切ったということである。
 オバマは自由貿易をあらゆる場面で侵している。今回の相殺税は時限立法であり初年度35%、2年後は25%ということだが、中国側はこれに過大な反応をしたものである。オバマは他にも中国からのシームレス鋼板関税を35%から98%に引き上げている。中国はこれに対してフラット電気鋼板関税を100%上げた。米国政府は中国によるブロイラー輸入規制をWTO (世界貿易機構)に持ち込んだ。
 中国に関しては、既に自国通貨である人民元の為替レート低額維持が国際的に問題化している。米連邦上院は為替を人為的に低く抑える国への相殺税適用のための立法作業を始めている。勿論狙いは中国だ。世界全てにとり、勿論中国にとってもそうであるが、人民元をより合理的為替レートに委ね、かかる通商戦争的展開を阻止することが共通の利益であることは論を待たない。
 経済の停滞する米国だが、昨年度の輸出が6.7%増大したことはせめてもの朗報である。かかる時期に最も避けるべきは通商戦争の展開だ。連邦高裁は、下級審による「米商務省は、関連の無い部門の問題を理由に輸入相殺税をかけることは違法」との判決を支持した。つまりこれはオバマの違法行為であり、世界の通商を維持するのに貴重な判決である。

(12/26/11,WT/B2)

ワシントンポスト



There's no reason to define 'Pro Israel'
  
 
1.12月18日付オプエド頁に掲載されたジェレミ・ベン=アミ
氏(米国の親イスラエルロビー団体Jストリートの共同代表)の「イスラエルは大胆、積極的に1967年の境界線を前提としてのパレスチナ国家成立を承認せよ」との論文は納得できない。問題を1993年のオスロ合意までさかのぼって検証し、この合意がなぜ達成できなかったかを直視すべきだ。1998年までにパレスチナがヨルダン川西岸とガザ地区をもって両者最終合意に至るとの合意を破ったのはアラファト率いるPLOではなかったか。
   
 2000年にイスラエルと米国は再度西岸とガザをベースとし首都は東エルサレムに置くとのさらなる妥協案を提出したが、パレスチナはこれに対してインティファーダ・テロで対応。1000人のユダヤ人と5000人のパレスチナ人が死亡した。その後は2006年にテロ集団ハマスが選挙の仮面でガザ地区を占領し、ここをベースにイスラエルに連続的ロケット攻撃を継続した。このような背景にもかかわらず「親イスラエル」を標榜するベンアミ氏は共和党保守を応援し、共和党保守は親イスラエルの標語のもとにパレスチナ国家成立を推進する。
(投稿者:Eric Rozenman, Washington)
 
 
2.「親イスラエル」に関して言わせてもらえば、これはイスラエル人を尊敬、彼らの選択の自由を認めるということに尽きる。彼らは中東において生きる権利を有する。民主的に選択した政府の下に国家を存続させようとすれば、この地を分割し2国家を並立させることは不可能だ。なぜならばイスラエルの対抗者はイスラエルの抹殺を究極目的に掲げているのだから。
(投稿者:Melvin Farber, Silver Spring)
   
(12/24/11,WP/B3)

Trouble in Iraq
 
 政治公約に囚われるオバマがイラク撤退を強行。先週はワシントンDCでイラクのマリキ首相と並び、イラクが安定した民主国家として発足などと美辞麗句を並べる。だがワシントンを後にして帰国したマリキは早速、連立政府の構成パートナーであるスンニ派退治に取り掛かった。全国テレビでマリキ首相は政府を構成するスンニ派出身の副大統領であるタリク・ハシミを「テロリスト」と決めつけ逮捕状を出したのである。
 ハシミ副大統領は首都を逃げ出し、もう一つの少数派であるクルド族にかくまわれている。ここでマリキは連立政権の解散を表明し、クルド族に直ちに副大統領の逮捕引渡しを要求した。言外に「従わねば攻撃を覚悟せよ」とのニュアンスがある。
 米軍は撤退後のかかる宗派間の内乱を予測していた。それに備え1万8000人の残存部隊を供給との提案を行っているが、マリキは米軍が受け入れられない条件を積み上げ、オバマも自らの政治的立場に固執し、これを回避した。
 マリキは実は3000人程度の米軍部隊を自らの政権保護のために求めていた。連立を解消すれば米軍撤兵後の空白にアルカイダや親イラン勢力が増大する可能性はとうから予測されていた。今後の混乱をオバマではなくブッシュによる侵略が原罪との批判に持ち込もうとする政治勢力もある。CIA長官や
バイデン副大統領もマリキに連立政権の維持を要請したが、マリキはこれを無視している。マリキはシーア派のみでのイラク支配を強行する。オバマの撤兵が今後の混乱の主因であるとの解釈は避けられまい。

(12/23/11,WSJ/A18)

ワシントンポスト

China's real estate bubble

  中国南部人口2000人の町ウーカン(烏坎)で住民の対共産党地域政府への抗議デモが発生した。町民の共有事業である養豚場の敷地を共産党政府が不動産業者に売却すると発表したためだ。不動産業者はこれを住宅地として開発し、高級住宅として販売する計画だが、地元住民でそのような住宅を購入できるものはいない。
 中国の土地は共産党が所有し、その売買はすべてて共産党が掌握している。そしてこれが共産党の最大の財源となっている。2005年の土地売却は中国国内総生産の10%を占めていた。米国の住宅バブル最盛期にあっても国内総生産の6%であったのだからいかに比率が高くまたバブル性が高いかがわかる。
 ウーカンの暴動では共産党政府は運動のリーダーを逮捕したが、のちに彼は死亡したと発表された。町民は「リーダーは拷問で殺された」と見るが、政府はリーダーの遺体を戻さない。運動は暴動化し町民勢力がついに地域共産党政権を追い出した。その結果、共産党中央勢力が乗り出すこととなり、町民と妥協に至りリーダーの遺体は引き渡された。
 本件はしかし単発事件ではない。生産手段を持たぬ共産党政府は民衆の土地への投資を誘導し、価格を際限もなく上げ続けた。その結果、上海や北京に見られるように需要が頭打ちとなると、バブルがはじけ、投資した国民は住宅を手放しても金は戻らぬという状況に落ち込み始めた。
 問題解決は自由化につきる。独裁政府の規制で庶民は貯蓄を住宅にしか注げない。ところが鉄鋼、銅などの需要減少で政府経済は逼迫する。中国バブル破裂は同国だけの問題ではない。世界への波及は不可避の問題である。

(12/23/11,WP/A14)
  
  

ニューヨークタイムズ


Economy Contributes to Slowest Population Growth Rate Since '40s
   
 米国の人口増大ペースが1940年代以来最低となったのは、統計局の発表によると経済停滞による出産率低下と米国への移民減少が原因である。過去1年間の人口増大は270万人であり、これは人口増大レート0.7%だ。1940年代最後には第二次世界大戦の影響で人口は0.3%の減少に転じていたが、昨年度の数値はそれ以降における最低水準となる。
 
 ここに至る数値は労働省統計局によると、奇妙に経済成長減速と轍を一つにしている。ブルッキングス研究所の人口問題専門家によると、経済の停滞は米国社会の特性であった人口の移動性を抑圧しており、これが米国人の家庭設計に多大な影響を及ぼしているという。
 
 もう一つの主な要因は米国への移民流入の変化だ。昨年1年間における米国への流入移民総数推定は73万人だが、これは最近の20年間における最低数値。この間の年間平均は120万人である。中でも隣国であり、不法移民も含め絶え間なく米国への移民流入を続けてきたメキシコからの移民増大率はゼロ・パーセントだ。ピュー・ヒスパニック・センターによると、米国は現在移民問題における過去に見られなかった新しい領域に入り始めたという。
   
 国境を越える不法移民の流入減少はことに顕著であり、昨年のそれは想定、これまでの平均の20%に減少している。出生率の低下の最大要因が経済的苦境であるという点に関しては上記研究所以外の専門家見解も一致している。さらに指摘すると、これまで最大の出産率を維持したヒスパニック社会における減少が顕著なのだ。

(12/22/11,/NYT/A23)