出来なくなった事を、数えるより
できる事を探していこう。

俺は君に、そう云い続ける



彼女は通話中も
ノートに
メモを取っている


咄嗟に言いたい言葉が
出てこないから
思いついた時に、
書き留めておこう。

通話中に読み返せば
言わなきゃ!と思っていた言葉も
伝えられるだろう。

そう言って俺が贈ったノート


距離感
お茶をこぼしたり
ご飯もこぼす と。

“せっかくのノートが汚れてしまった“

と申し訳無さそうに言う。


それだけ、頑張って
常にメモを取ろうとしている証拠だよ。




元々SecondLifeで知り合って
お互いに、ずっとキャラ名で呼んでいた。
今もずっとキャラ名呼び。


恋人になってはじめて、
住所や名前を知らせて
現実でプレゼントを贈り合った。

付き合って半年。

俺の本名を聞いても、
“あゝそんな名前だったね“
と ならず
その方は誰?という反応だった


知ってまだ半年なのだから、
俺の本名を
すっかり忘れていても
仕方が無いよ




君が、ふと
俺を “お父さん“ と呼んだ


小学生が担任女教師を[お母さん]と
間違って呼んでしまうように。


自分でも違うと気づいて
呼びなおしてくれた。


それだけ
身内認定してくれているのなら
俺は嬉しいよ。



以前は
俺の居ない時間の
SecondLifeでの出来事を
いつも楽しそうに
沢山話してくれていた


登場する人物は沢山居たケド
特に登場回数の多かった
アノヒト
の名前が出てこない。

◯◯さん?
と俺が言えば、思い当たる


なんと表現するべきか…
少しづつ薄れゆく認知に
俺は何かできるのだろうか


SecondLifeも1ヶ月遊べてないし
病気になってなくても
“アノヒトだよ、ほら、アノヒト“
て、なるよ(笑)




脳梗塞の症状が落ち着いて
現状から悪化はせず
リハビリ次第でどうにかなる

だといいな。



SecondLife

癒やされた。