『~最高のラストパス、 その1冊が人生を変える~』
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ギャラクシーブックスの栢木ですサッカー

ブログを見ていただきありがとうございます照れ

このブログではギャラクシーブックスの取り組みや

私個人の取り組みをちょこちょこアップしていきたいと思いますチョキ

少しでも多くの方にギャラクシーブックスを

知っていただければと思いますので宜しくお願いします!!

 

galaxy株式会社 

代表取締役社長加戸昌哉の書籍『音色』を紹介!!

 

『音色』にはギャラクシーブックスが

これまで歩んできた全てが書かれております照れ

 

良いとき、悪いとき、きつかったこと、楽しかったこと

包み隠さず全てを書いてますので

ギャラクシーブックスを知りたい方は是非見てください目目

 

毎週月曜日、水曜日、金曜日に

アップさせて頂きますので、宜しくお願いします!!

 

 

-音色- 目次
  0.「まえがき」  

第1章 始まりの音    第2章 揺れ動く音    第3章 崩れる音 
1.「原点」          5.「巣立」          9.「MBO」
 2.「拡大」           6.「始動」          10.「崩壊」
 3.「売却」          7.「難局」          11.「絶望」
 4.「M&A」          8.「宣告」          12.「希望」

第4章 願いの音     第5章 軌跡の音 
13.「再起」          17.「応援」
14.「不覚」          18.「創案」
15.「前進」          19.「結実」
16.「夢中」          20.「出発」

 

第3章 崩れる音 

「崩壊」

―2018年10月―

 度重なる親会社変更のあげく独立を余儀なくされたかたちとなり、さすがにインパクトをもたらす出来事になってしまった。特に上層部にはかなり不満があったと後から耳にした。
 
 しかしこればかりはどうすることもできなかった。それが子会社というもの。その理解は一切してもらえていなかった。

 事業は変わらず進めていかないといけないのはわかっていたが、不信感を抱くようになった社員が増えつつあるのは肌で感じていた。

 独立後の数カ月で退職者が目立つようになり、8月以降は今までにない速度で売上は一気に下降することになる。社員の向く方向はバラバラになり、モチベーションの低下は目に見えてわかっていた。
 

 営業部も制作部も見た目はなんら変わりないのに売上はどんどん下がる。あと数カ月で資金はなくなってしまう。今まで資金繰りに本気で困ったことがなかっただけに、かつてない恐怖を感じていた。

 当たり前が一気に崩れていく。

 会社を運営するためにもっとも大切なものが資金である。どんなに大きな夢があっても、素晴らしい事業があっても、いい人に恵まれても、資金が尽きると終わってしまう。

 今まで一緒にやってきた上層部を信じて、今月こそはここまで売上をつくろう、そして持ちこたえよう。8月以降は毎月こんな会話から始まり、最終的には大幅な未達成。赤字額はみるみる増えていく。

 独立してたった3カ月でこんなにも早く衰退していくとは思ってもいなかった。どうすればいいのかわからない。45名を抱える会社になると、自分ひとりで踏ん張っても届かない損益分岐点。

 どんなにこの状況を上層部に説明しても危機感はない。そもそも伝わっていないのか、すでにもう諦めているのか。

 すでに軋轢は起きていた。今まで一緒にやってきたからこそ、悔しさを隠し切れない。

 完全に信用しすぎた。

 これは大きな失敗だった。ここからひとつでも間違った判断をするとすべてが終わってしまう。

 

 こうなった今、売上を飛躍させることは不可能ということはわかっている。出血を止めるしかない、さまざまなコスト削減を実行するしかない。役員報酬はもちろん0。そして人員整理が頭をよぎる。

 聞いたことはある人員整理という言葉。要は希望退職やリストラというものである。まさかこの会社でこんなことを考えることになるなんて。

 もちろん初めてのアクションでかなり躊躇していた。しかし結論はそれしかなかった。本気で会社を守りたいのであれば、出血を止めたいのであれば、細々としたコストカットでは間に合わない。残された時間は限られている。生半可な気持ちで挑むと確実に資金アウトしてしまう。

 人員整理は今まで以上に緊迫するものになるだろう。資金アウトはもう目の前にある。

 12月まで持つか、持たないか。

 可能性を残せるとすれば、最終ジャッジは10月末。それでも遅すぎるかもしれない、そう考えると体の震えが止まらなくなっていた。

 

 2018年は全員で年を越せずに終わってしまう。自分は経営者としての能力がまったくなく、ただの指揮官だった。本当の経営者なんかではないことがよくわかった。だからこんな事態を招いてしまった。

 資金は滝のように流れていき、会社は一気に衰退していく。明るい未来など一切なく、真っ暗な未来しかなかった。

 このことは管理部長にはすべて相談していた。そして毎晩のように再生計画を考えることになる。

 45名全員でこの先へは進めない。再生するためには10名規模にならないと不可能と計画で弾き出されていた。

 しかし誰に抜けてもらう、誰かだけを残すといったことはできない。弁護士も交えてこのミッションをどう乗り越えるかを考える日々が続いた。

 12月以降の予想はまったくできていない。ドラスティックな決断と行動には果てしないパワーが必要ということだけを突きつけられていた。頭ではわかっていても体は言うことをきかない。

 そんなことを毎晩繰り返しているうちに、あっという間に11月が近づいてくる。

 決断はできていた。結果がどうなっているのか、そしてその結果は正しいのか。そもそも誰がこんな会社に残ってくれるのか。

 最悪の場合、ひとりになるかもしれない。

 会社を守れるならそれも覚悟していたが、あまりにも非現実的すぎるものだった。このころ、特に大阪オフィスでは情報が漏れ出しざわつきだしていた。

 会社がやばい。

 10月も残すところあと5日、完全に負のスパイラルに陥った。もう、終わってしまう。倒産するとその先はどうなってしまうのか。経験がないからこそくる恐怖に襲われてしまった。

 生き延びるだけの資金がほしい。しかしそれは今更遅すぎた願いだった。
 
 この2年間、散々な資金の使い方をしてしまっていた。一定の売上があったことを良いことに、コスト意識は欠けていた。今年の採用は特にうまくいかずコストはかなり膨らんだ。給与は高水準のままで変えることもしてこなかった。

 また売上を積めばなんとかなるだろう。そんな甘い考えで運営してきたことに後悔してもしきれない。今になってやっとお金の大切さを知ることになった。

 もう1円たりとも無駄にできない。会社を守るためには再生計画を基に人員整理を決行するしかない。

 同時に資金を少しでも集めること、ここに賭けるしかなかった。