『~最高のラストパス、 その1冊が人生を変える~』
出版のその先を応援 日本一著者と近い出版社
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助け合い(愛)で未来をつくる 社会貢献を通じて人をつくる
ギャラクシーブックスの栢木です
ブログを見て頂きありがとうございます
このブログではギャラクシーブックスの取り組みや
私個人の取り組みをちょこちょこアップしていきたいと思います
少しでも多くの方にギャラクシーブックスを
知っていただければと思いますので宜しくお願いします
galaxy株式会社
代表取締役社長加戸昌哉の書籍『音色』を紹介
『音色』にはギャラクシーブックスが
これまで歩んできた全てが書かれております
良いとき、悪いとき、きつかったこと、楽しかったこと
包み隠さず全てを書いてますので
ギャラクシーブックスを知りたい方は是非見てください
毎週月曜日、水曜日、金曜日に
アップさせて頂きますので、宜しくお願いします
-音色- 目次
0.「まえがき」
第1章 始まりの音 第2章 揺れ動く音 第3章 崩れる音
1.「原点」 5.「巣立」 9.「MBO」
2.「拡大」 6.「始動」 10.「崩壊」
3.「売却」 7.「難局」 11.「絶望」
4.「M&A」 8.「宣告」 12.「希望」
第4章 願いの音 第5章 軌跡の音
13.「再起」 17.「応援」
14.「不覚」 18.「創案」
15.「前進」 19.「結実」
16.「夢中」 20.「出発」
第2章 揺れ動く音
「難局」
―2017年10月―
M&Aを無事に終え、galaxy単体として足りないポジションのメンバーもそろえることができた。そこで初めての合宿を東京で開催することになった。
今までにできなかったことをやってみよう。そんなことからこの合宿は計画され決行された。
2階建ての一軒家に1泊2日。そこに集まる顔ぶれが今からのgalaxyを引っ張っていくと思うとワクワクする気持ちが自然と膨らんでいった。
最寄りの駅で全員が集合する。改めて顔を見たとき、全員が笑顔だった。
今回の合宿で決めないといけないことは多くあり、それぞれがどんなことをやりたいのか、この会社をどうしていきたいのか。ミーティングは明け方まで続いた。
時間だけを無駄に使うあまりにも下手な会議であり合宿だった。収穫は全員とのコミュニケーションだけだったが、実際はそれだけで十分よかった。
始動できる人員と環境はそろっている。
新たな気持ちでやっていこう。ここにいるメンバーを筆頭に、新たな挑戦が始まる。
上場企業の傘下に入り、一番大きく変化しないといけないのはガバナンス体制の強化。これから先はショーケース・ティービーとその株主がgalaxyと密接な関係になる。企業としての成長を義務づけられていく。
自社はまだまだ未熟な企業であることを改めて実感することが多くあった。世間で言う、まともなかたちに持っていかないといけない。事業としても組織としてもまだまだ足りないことが山ほどあった。
元々はこの会社をやりたくて始めたわけではない。当時、一定の資金を生むための手段だったことは事実である。
しかし、これからは営業活動だけではなく企業としての課題にしっかりと向き合い、方向を示していかなければいけない。
例えばこの時点で大きく課題に取り上げられていたことは未リリース案件の増加である。受注をするとその分の案件が増えていく。いかにその案件をリリースできる体制に持っていけるか。
契約件数とリリース件数の乖離が大きく、書籍づくりが追いついていない。全社としてこの課題を理解してもらい、業務を遂行できるよう考えてもらう。
それでも簡単にすべての案件を一気にリリースできるわけではない。中期で線を引き、この課題を解決していくことも指標になっていた。
実はこの課題、思っているほど簡単なことではなかった。著者に原稿を書いてもらい、原稿が上がってくればそれを書籍にしていく。この動きにより営業リソースがどんどんと削られていく。営業数字は下降していく予兆がすでに始まりを見せていた。
これはあくまでひとつの理由でもあるが、実際には3年間この営業活動をしているとアタックリストは減っていく。エリア拡大も視野に入れないとどこかで大きな壁が訪れる、そんな予測をしていた。
人海戦術で数字を伸ばしていくが、予定どおりにいかないことが目立ってきた。
ショーケース・ティービーにジョインしてから約半年、12月に差しかかろうとしていた。下半期の予算が大きく下回る数値が現実となる。これはかなりまずい。ジョインしていきなりの下方修正、すぐさま緊急で会議が行われた。
課題に向き合うことも大事、しかしそれ以上に業績が大事である。プロセスよりも結果がすべてだった。それが親会社の考えである。
確かにそのとおりで、上場企業が下方修正をするとなれば株主がどんな対応をとるかは安易に想像できる。
とにかく業績を上げてほしい。最終的にはそのことだけを言われ会議は終了した。
会議が終わり東京を後にする途中、少しだけ駅前のベンチに座り込んだ。
結局昔と変わらない、ただただ数字を追いかける。このままではいずれみんなはくたびれるに決まっている。
galaxyにはビジョンもなく、数字を追うことしかない。今までのやり方では通用しなくなってくる、大きく変わるには今しかない。そんな考えもあったが、なぜか以前より数字を追いかけるということに力が入らなくなっていた。
親会社の決算のために、株主のために、本気で数字を追うという気持ちになれない。akippaと一緒にやっているときとはまったく違う感覚だった。
資金をつくって新規事業に投下、そして、なくてはならぬをつくる。その気持ちがあったから当時は本気でできていたのかもしれない。今やっている数字集めの意味とは違っていた。
もちろん数字が上がらないとgalaxy自体も苦しくなってしまう。生きるために取る数字と親会社のために取る数字はまったく別物の感覚である。
そんな葛藤があり、この時期は特に数字を上げろと言われることに嫌悪感を抱くようになっていた。
どうすれば今のまま楽しく事業を進められるのだろうか。答えは出せないまま、12月を終えようとしていた。
―2017年12月末―
ジョインして半年、売上は綺麗な右肩下がりを描いて着地した。
原因説明と今後どう立て直すのか、議論は数時間にわたり続いた。言い訳はできない。結果は数字、それがすべて。この日の会議ではかなり叩かれることになった。
ジョインする前と今とでは全然違う。来期は挽回しないと完全にお荷物状態になってしまうことが見えている。数字がすべての判断基準となる。
親会社と子会社の間には人としての熱さは低迷し、もはや数字だけでつながっているように感じる。これは当たり前なのかもしれないが、その感覚にまだついていけない。渋い気持ちのまま来期の予算を作成し提出することになる。
これでは利益が少ない、もう少し上げてくれないか。この繰り返しを何度も行った。
この数字はなんのために積み上げていくのか。そんな疑問が残る計画作成でもあった。
今は成長よりも土台を固めたい時期。本当はそう考えていたがそんな時間はもうなくなっていた。
最終的には自社の損益分岐点だけを考え、できるだけ無理のない計画で着地した。
来年こそは絶対に見返してやる。