『~最高のラストパス、 その1冊が人生を変える~』
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ギャラクシーブックスの栢木ですサッカー

ブログを見て頂きありがとうございます照れ

このブログではギャラクシーブックスの取り組みや

私個人の取り組みをちょこちょこアップしていきたいと思いますチョキ

少しでも多くの方にギャラクシーブックスを

知っていただければと思いますので宜しくお願いします!!

 

galaxy株式会社 

代表取締役社長加戸昌哉の書籍『音色』を紹介!!

 

『音色』にはギャラクシーブックスが

これまで歩んできた全てが書かれております照れ

 

良いとき、悪いとき、きつかったこと、楽しかったこと

包み隠さず全てを書いてますので

ギャラクシーブックスを知りたい方は是非見てください目目

 

毎週月曜日、水曜日、金曜日に

アップさせて頂きますので、宜しくお願いします!!

 

 

-音色- 目次
  0.「まえがき」  

第1章 始まりの音    第2章 揺れ動く音    第3章 崩れる音 
1.「原点」          5.「巣立」          9.「MBO」
 2.「拡大」           6.「始動」          10.「崩壊」
 3.「売却」          7.「難局」          11.「絶望」
 4.「M&A」          8.「宣告」          12.「希望」

第4章 願いの音     第5章 軌跡の音 
13.「再起」          17.「応援」
14.「不覚」          18.「創案」
15.「前進」          19.「結実」
16.「夢中」          20.「出発」

 

第1章 始まりの音

「拡大」

―2015年1月―

 年始の休みは採用計画を立てていた。予算は限られている。しかしこの予算よりも圧倒的に時間に迫られていた。1年後の想像はまだできていない。とにかく動いて、考えて、それしかなかった。

 books事業部という組織に変わり、スタートを切った瞬間にまずは採用を開始した。出版の仕事は珍しかったのか、一定の人数が早々に採用された。採用基準が甘かったのは事実だが、まずまずのスタートを切ることができた。

 大阪では既存社員全員で教育、すぐに現場へ同行。実際のところ教育制度もないままのベンチャー特有の即実践。オフィスには一気に机が増えていった。

 今回の1.8億計画では既存の大阪、東京とは別に名古屋オフィス立ち上げも予定に入れていた。まず名古屋ではオフィスを借りないといけない。そこからのスタートで、知らない土地に不安はかなりあった。

 雪が降るこの季節、たまたま知り合った不動産会社に通う。このころから名古屋への移動もかなり増えていた。

 直感だけを頼りにオフィスを決め、同時に採用活動も始めた。名古屋第一号の採用は運良くしっかりとしたタイプ。申し訳ないことに入社初日はほぼ空っぽのオフィス、仕方なくインフラ整備から始めてもらった。
 
 その後2名を採用して1名が退職。決して甘くはないと感じた。

 東京での採用はやや遅れていた。採用企業も圧倒的に多く、集まりは鈍かったが1名、2名とゆるやかに採用が始まった。

 3拠点とも共通して言えるのは、一気に採用したことで現場主義の育成方法。即離脱する社員も少なくはない。去る者を追う、そんな時間はなかった。次から次へ、とにかく人を固め、春までの目標は達成しないといけない。長期目線で見ることはできていない。とにかくこのときは短期目線でしか動けていなかった。

 

―2015年2月―

 株式会社ギャラクシーエージェンシーからakippa株式会社に社名変更が行われた。akippaで勝負を賭ける姿勢は全員が理解できた。

 books事業部ではある程度予定どおりの採用が進められ、積み上げ式の売上もそれなりに伸びていた。

 KPI(重要業績評価指標)は営業数字のみ。コミットメントした数字に対して向かうだけのシンプルな思考だった。毎月全力で走ってくれていた。
 

 春が過ぎ、夏を越え、秋には一定の事業部になっていた。大阪、名古屋、東京の順に社員数は増えていく。このあたりで若干の違和感に気づいていた。各拠点で全然色が違う。気にはなっていたが、毎月の目標が大きすぎたこともあり全員が数字だけを追いかけていた。

 冬を目前にし、大阪での採用は終了、残すは名古屋と東京。まだ採用予定人数には達していないが、営業部、制作部と賑やかになっていた。

 

―2015年冬―

 採用は少し落ち着きだした。もちろん早期退職をする者もいたが、それなりに目標に届きそうな売上も見えるようになってきた。
 
 各拠点では日々、営業活動をする。想定していたように人を増やせば数字は上がる、エリアを拡大すれば数字は上がる、典型的な労働集約型だった。達成のためには躊躇はない。

 制作部もかなり増え、昨年の冬に比べると大所帯、4名から30名超えの規模となっていた。

 

―2016年1月―

 売上1.8億円の目標は達成した。黄金期とでも名づけよう。事業部拡大としては成功した。
 
 一方で荒い営業活動をしていたのは事実であった。案の定、クレームは増えていた。
 
 これは非常に難しいところでもあったが、純粋にお客さまを100%優先してしまうとこの1.8億は達成できなかったかもしれない。強引にでも、荒くでも営業活動をしないといけない風潮を作っていた。未達成という恐怖がずっと頭にあり、事業部長として判断をしていた。
 
 とはいえ、数字にはよっぽど強い事業部が完成しつつあることには変わりはない。実績は自信に変わり、次へつなげることができた時期でもあった。

 翌年の目標は2.4億。

 これはなんのためかというと、akippaへ投資をする資金のためである。この事業部で生み出す資金はakippaの血液にする。会社が掲げている「なくてはならぬをつくる」の手段だと割り切っていた。
 
 books事業部では採用、営業、制作はまだまだ続く。勢いを増して成長していく。

 稼ぐ事業部だけに社員の給与も上がっていく。目標をクリアする達成感、まだまだ終わらないというプレッシャー、拡大しながら数字だけを唱えていた。

 

―2016年8月―

 このころの役員会には出資をしてくれている企業も毎月参加していた。今までにない角度から、サービス拡大に向け議論が繰り返される。もちろん辛口な意見が飛び交うこともある。
 
 一方でbooks事業部はある程度の売上、資金をつくることができ、一定の価値が築かれつつあった。
 
 営業色の強いbooks事業部と、そうでないakippaとの文化の違い。距離は少しずつ離れていった。
 
 昔ながらの営業会社と今を彩るスタートアップ。どちらが良いとか悪いとかではなく、同じ会社の中で混合するとどうしても違和感が生じる。採用基準も全然違ってくる。直接人と人がぶつかり合うことはないものの、吹く風は全然違っていた。

 社内である噂を耳にする……books事業部は子会社になる。

 過去にこの会社の中でたくさんの子会社をつくろうという話もあったが、実際に実行されることはなかった。
 
 しかし、その当時よりも今は遥かに現実味がある。もしそれが本当に起こるのであればそれなりのリスクはあるはず。
 
 とはいえ本当に子会社計画が進むのであれば断ることはしないと考えていた。どんな手段を使ってでもbooks事業部、そしてakippaを含めた全社をどうしても前に進めたかった。

 文化が違うふたつの事業部をいつまでも混合した中で続けていても妙な違和感は拭えない。ミスマッチも起こり得る。いっそ子会社になったほうが全員ハッピーなのではないか、そんな考えになっていた。
 
 やはり体質が違う部署が一緒になると文化に違いが出てくるのは当たり前である。きっぱりと社内で切り離すことで変な意識もなくなる。
 
 両方の事業部がうまく進むならそれでいいと思う反面、少しだけ寂しい気持ちはある。複雑な心境に落ち着くことはできなかった。

 なにかが動き出す、しかも一気に。

 妙な感覚が頭から離れない。