ダ・ヴィンチコード三部作の最終章は「インフェルノ」。

ダンテの謎を追うラングドン教授は真紅の高速鉄道イタロに乗ってフィレンツェから水の都ヴェネツィアへと向かう。
そして私の美と食の謎を追う旅もフィレンツェからヴェネツィアへと舞台は展開する。同じく赤いイタロに乗って・・・。
 

車掌さんの「次は終点のサンタルチア駅~」というアナウンスが流れると、両側の景色がパぁっと開きどちらの窓からも海が見える。本土からヴェネツィア島まで別の舞台に続く渡り廊下の様に鉄道は海上を走っていく。
 
イタリアに詳しい同僚から右手は道路が並走しているので左側の席に座るように言われたが個室の窓は右側にしかない。
仕方なく一個前の駅でこっそり部屋を出てみるとラッキーなことに1'stクラスには他に誰もいなかった。先頭車輌は丸ごと貸し切り状態!
 子供のようにカメラ片手に右に行ったり左に行ったりしてるうちに終着のサンタルチア駅に到着した。
 
ホームに降り立つと、期待していた程の豪華な駅ではなく、割りと何のへんてつもない駅というのが第一印象である。。もうイタリアに目が慣れてしまったからなのかもしれない。
「ちょっとここは旅情感に欠けるな。」「誰だよヴェネツィアはサイコーだとか言ってたヤツは~」とかぶつぶつ言いながら段差に躓く荷物に気遣いつつ駅を出て、ふと顔を上げると……                         (@_@)    「ウソ…でしょ」
 

 
視界全体が映画のスクリーンになって、そのファイナルファンタジーな景色に言葉を失ったのである。
 
景色は音楽のように感情を揺さぶるものだ。
山手ドルフィンの窓から見える景色はソーダ水の様に爽やかだし、津軽海峡の冬景色は重苦しい・・。
 
今のこのワクワク感は何処から来るのか。地中海を支配し典雅で難攻不落だった頃のヴェネツィアの面影…?。
      「あぁ、やはり来てよかった」
ヴェネツィアは最高だという私の勘に間違いはなかった。たまに旅情が無いだのかんだの言う輩がいるらしいがとんでもない話である。たとえ瞬時であろうとヴェネツィアはサイコーだ論を疑わず信じ続け、毎日ダッシュを100回、素振りを300回続けてきた自分を誉めてやりたい。
 
そんなわけで星飛雄馬のごとき燃える炎の瞳が冷めやらぬまま、駅前右手にある売店小屋でヴァポレットという喉に効きそうな乗り合い船の24時間乗り放題チケットを買う。€20.0なり。
ヴェネツィア内の交通機関は船だけだ。知ってる限り世界で唯一のクルマが走っていない都市である。
 
ピコレット、いやヴァポレットはタイミングよくやってきた。海のトリトンを口ずさみながら乗船すると、船はカナル・グランデ(運河)をリズミカルに進み始めた。
 
♪誰も見ない未来の国を少年は探し求める
 
         船  船  船  船  船  船  船  船
 
ホテルにチェックインしたら、いつものように お写ん歩ランチにくり出そう。
 
つづく
 
    白ワイン  赤ワイン  白ワイン  赤ワイン  白ワイン  赤ワイン  白ワイン  赤ワイン  白ワイン  赤ワイン
 
ではでは パー