オススメ度:★★☆☆☆

理系度:★☆☆☆☆

ジャンル:量子力学

 

"一種、独特の繊細な不安の年齢"である40歳に差し掛かる頃に出会った天才クラシックギタリストの蒔野とジャーナリストの洋子。

 

一目会ったときから強く惹かれ合うふたりだけれど、不可抗力の偶然が重なって結ばれる事なくすれ違い続けてしまう。

 

そして、ふたりはことあるごとに選ばれなかったほうの選択を考える。

これは悪いほうの現実か?幸福なほうの現実か?

まるでシュレディンガーの猫の話みたいに。

 

歳を経るごとに、選ばれなかった人生は増え続けていく。 

ある時確かに、誰かの人生と強く交差したと思えた瞬間があったはずなのに。

後から振り返ると、それが本当だったのか、自分の思い違いではなかったのか、自信がなくなってしまう。

そうしたら、選び取った(と信じている)人生が、空虚に思えるときがある。

 

 

実は会話は崇高すぎて置いてきぼり感がすごかったです。。。

戦争とか政治とか民族とか映画とか音楽とか。

理解できている人、いらっしゃるんでしょうか。

感情移入がしにくい部分も多かったです。すみません。

 

そういう意味では三谷がある意味とても人間らしい。

到底許すことはできないけれど、人生の主役になれないという心理はすごくよくわかる。

ましてこんな才能のあるふたりを目の前にしてしまったら。

 

 

次の一冊は「冷静と情熱のあいだ」

雰囲気とても似ていると思った。私は辻仁成の青のほうが好きです。

 

 

マチネの終わりに

 

↓CDも出てます。

マチネの終わりに

 

冷静と情熱のあいだ―Blu (角川文庫)

 

冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)