オススメ度:★★★☆☆

理系度:★★★☆☆

ジャンル:工学

 

「すべてがFになる」をはじめとして、人気の高いS&Mシリーズのひとつ。

この10冊の中で目立つほうではないけれど、個人的にお気に入りの作品。

題名もダジャレになっているのが意外で可愛らしい。

 

商品紹介文↓

50年前、日本画家・香山風采(ふうさい)は息子・林水(りんすい)に家宝「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

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ミステリーの王道、密室もの。

でもそっちのトリックよりも好きなのは「天地の瓢」と「無我の匣」の2つの家宝のトリック。トリックというかこれは知識があるかないかなので見破れるか!?という類のものではないのだけれど。。

 

このトリックですが、結構シブいです。

ネタバレできないのでとてももどかしいけれど、金属を学んだ身としてはぐっときた。

実現も可能らしい。このトリックの一部くらいは途中で気づきたかった。。。

ネタバレ余談をこの記事の一番下に入れておきました。

 

また、この巻では萌絵と犀川のかけあいに萌えたというひとも続出。

そっちが面白かった、というひととトリックが面白かったというひとで二極化するかも!?と思いました。

 

Kindle版もあります↓

 

Kobo版もあります↓

 

ネタバレ余談

この「天地の瓢」と「無我の匣」のトリックでキーとなる低融点金属。

易融金属と呼ばれ、ビスマス、鉛、錫、カドミウムなんかの合金だそうです。

60℃のお湯で溶けてたるんたるんのはぐれメタルみたいになっちゃう、ちょっと日常的には想像できない金属です。

「封印再度 低融点金属」で検索すると、実際にやってみたレポートまで出てきてすごい。構成だけ見ると、あんまり触りたくはない感じですが。。

 

 

ちなみにガリウム(Ga)という金属は29.76℃で溶けてしまいます。

こちらも検索すると動画がたくさん出てきます。

 

 

次の一冊は「元素生活」。