写真について | SAD VACATION

SAD VACATION

映画と音楽の覚書
趣味の詩など…

火事は二〇二一年十二月四日の夜に起こった。
隣家より燃え移り我家は全焼した。
火災保険には入っていなかった。それがわたしの捲ったカード。

なにもかもが焼けた。
勿論、写真の類も。
惜しかったなと、思うもののトップに写真はある。
子供の成長の記録。死んでしまったペットの写真。私の子供の頃のアルバム。結婚式の写真。すべてが焼けた。
手元に残ったのは、持ち出したパソコンにスキャンしていたものと、息子が保持していたものである。いずれも数は多くないが今となっては貴重なものである。

いま、わたしは時折、自撮りで自分を撮る。
これも詩と同じように、生きた証なのだろうか。
今年になり、急激に頭頂の禿げが進みだした。
わたしのナルシズムが痛手を受けている。なんとか今のうちに奇跡の一枚を撮りたいものである。