●このようないい作品を1回だけの鑑賞でおえるのはもったいない。

もういちど家で観る。


ものすごくいい作品だと再認識。


まだ午前10時のTOHOシネマズ日本橋などのBグループでは上映中。

劇場の大きなスクリーンで観ることを強く薦める。この手はテレビ画面などではダメなんだ。いつも劇場で観ている人にはそれが解る。



おいらも最近特に猫に話しかけることが多くなったので他人事とも思えない。

(おいらはクイズは出さない)

¥5980+税とあるがおいらはアマゾンで2000円ちょっとで買った。

売れなかったんだろう。



英語字幕も監督のコメンタリーも入っているのでわからなかった場面も意味がわかるかもと思ったのだ。

音声はモノラルだが、ロスレス。


主役のアート・カーニーは声帯模写(歌手の)をするコメディアンだとやっと知る。

だから猫に歌を歌ってこれが誰だかわかるか?と聞いていたのだ。

アル中だったらしいが、撮影中は呑まないという事で出てくれたと。


なんども観てる映画「サンバーン」にもでていたっぽい。



コメンタリーを全部聞いたらこのブルーレイを買った価値が50倍くらいに上がった。


マザースキー監督は知性を感じる話し方をする人だが、俳優としても、監督としてもこの作品と2本以外目立ったものはなく、自分も「結婚しない女」しかみていない。数回は成功した人だが、そのあとが俳優業の方がおおいっぽい。


C・イーストウッドはここ10年いい仕事をして最高な人と言っていて、ほぼ同い年で自分はそうではないと聞こえる。


(イーストウッドの作品もヒットするものとそうでないものがあり、なるべくジャンルを変えてリスク回避していたり、硫黄島からの手紙ではジャニーズの二宮さんをだして、日本での上映に保険をかけたりしているが、イーストウッドは金があるからそれができるんだろうなあ)



この映画のコメンタリーは監督が74歳の時というから(いま2016年で監督は2014年に84歳で亡くなっているので2004年くらいに録音されたものだ)




●下の「暴力教室」にはマザースキーも俳優として出ていて(この作品は有名だが、日本ではビデオまでしか出ていないので米国版DVDを購入。これのコメンタリーもマザースキー監督だったからこういう仕事で食いつないでいるのかもともおもったな。


真ん中の座ってる不良がビック・モロー、立っているのがグレン・フォード、

右の黒人がシドニー・ポワチエという超演技派ばかりだ。

ビック・モローとマザースキー監督はリー・ストラスバーグの演技学校で

一緒に勉強した仲だったと。



ビック・モローのこの不良役は最高の芝居だった。


いいねえ。ジェームス・ディーンとかだと、もっと芝居が「綺麗」なんだが、

この人は「リアル」という言葉がぴったり。ミー坊はこういうリアルな芝居を

する人が好き。



1時間半程度の話の中でこのアーチー・ウエストがいかに心のゆがんだ、悪い奴なのかを見ている人にわからせる芝居だった。


不良高校生とはこういうものだと。


コンバット!をみていて、この映画を観ていない人も多いと思うけど、これぞビック・モローの芝居の原点であろう。


高校生になってからこれのハヤカワの文庫本もなんども読んだな。









一番下にマザースキーの名前がある。



真ん中の人物がマザースキー監督(ここでは俳優)

左がビック・モロー、右がグレン・フォード


1980年ごろには「処刑教室」というタイトルでほぼリメイク作品がある。








●話を本題に戻そう。「ハリーとトント」で一番下の息子

エディをやったのがこのラリー・ハグマン(故人)

じつにいい出かただった。






ここからのコメントがすごい。びっくり。

マザースキー監督はエディ役はビック・モローを考えていたというのだった。





お互いよく知っていたし、

すごく仲良くしていたので、まさか断られるとはと、


ものすごいショックだったと。


台本を送った後で、当時のモローの代理人のハリーという人物から連絡があって、終盤まで出番がないし、小さい役なのでやりたくないと言っているという。

そこで、エレン・バーンスタインや大女優のジェラルディン・フィッツジェラルドもOKしてくれているのにダメなのか?と聞いたというのだ。


結局ハグマンになって、これで良かったのだが、

どうしても納得がいかなかったと。

(ここで愚痴るのが人間ぽくっていいね)





そうだったのか・・・。出ておけば、暴力教室に次ぐ

アカデミー賞ノミネート作品になって、しかもこっちは取っているのだ。

結果論だがもったいないことをしたねえ。ビック・モロー。


しかも1975年ごろはルネ・クレマン監督の「危険なめぐり逢い」のような

変な映画にも出ているのになあ。


まーマザースキー監督の言っていることが本当ならという事だが。






マザースキー監督もメイル フーカー(男性の娼婦)役で

一瞬だけでるが、芝居がうまい。





●マザースキー監督が日本に来たことがあるかどうかは知らないが、

東京で公開した時にはこのシーン

(動物病院でトントに最後のクイズを出すシーンの歌)

観客が号泣しなにも聞こえなかったと。日本人は猫好きが多くて、

このシーンの意味をよく解ってくれたから、移住しようかな

と言っていた。


たしかにミー坊もこのシーンが泣けた。日本人だからかも。

これは泣けるなあ。



このシーンのクイズの後の「ラーイト」の字幕が

「その通り!ハリー・ローダー卿(サーのこと)だ」だった。これがまたよかった。

今までは「そうだ!」

だったのだ。英語はどちらも「ラーイト」なんだけど、字幕マジックだね。

最後は「その通り!」にしないとだめだ。


歌がまた物悲しい内容なんだ。(全部は理解できない)




このあとトントにソーロング(さよならだ) キドー(=kiddo=子供などに対するおまえ)と言ってハリーは去ってゆく。


このソーロングは効くなあ。猫好きにはつらい。


So long, kiddoは(さらばだ、ちび。みたいなかんじなのかなあ?)