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今日、毒草バイケイソウ(梅けい草)の花がたくさん咲いてた。

オオイタヤメイゲツ(大板屋名月?)の林をぬけ、シャウヅ(栃生)山の頂きへ。
ハエ、アブ、ハチがつねに衛星のように周り続ける。さらに無数の小さな黒い羽虫が顔にぶち当たってくる。
昼食の時くらいは、そっとしておいて欲しかったが、奴らは容赦しなかった。
仕方なく、タオルを頭からかぶってパンを食べた。口に入った小さい虫もそのまま喰ってやった。
まだ時間に余裕があったので黒沢山方面に向かう。

印しが疎らなので迷いつつも一時間ちょいで、最低鞍部の立ち枯れ原(勝手に命名)にたどり着く。
しばし休んでいると鹿が一匹、笹の藪原を飛び跳ねながら駆けていった。

行きはよいよい、帰りはこわい、
こわいながらもここまでやって来たが、視界が悪いし、虫もうるさいし、またまた迷いそうなので、今日はここまでと引き返す。
そして案の定、迷わされた、鹿の足跡がついたケモノ道に。美しかった木や苔、笹藪など目に映るすべての風景、鳥の鳴き声も魔境と化す。執拗に無数の羽虫が追い撃ちをかけてくる。
早くも遭難の二文字が頭をよぎり、心臓が高鳴り、汗が吹き出す。戻って赤テープをさがさねば…だが、笹をかきわけてきたので、通った道も覚束ないなどと途方に暮れてると、
流れる深い霧の向こうにシャウヅらしき黒い尾根がちらりと姿を現わしてくれた。
どうやら馬鹿な我輩はシャウヅ付近の西尾根に入り込んだらしい。
ようやく再び見覚えのある懐かしきシャウヅについて、茶を飲む。相変わらず羽虫が顔にたかってきていたが、もはや気にならなくなっていた。


