馬1


中国の北の方に占いの上手な老人が住んでいました。




さらに北には胡(こ)という異民族が住んでおり、
国境には城塞がありました。




ある時どういうわけか、その老人の馬が北の胡の国のほうに
逃げていってしまいました。




この辺の北の地方の馬は良い馬が多く、高く売れるので
近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめに行きました。
ところが老人は残念がっている様子もなく言いました。





「このことが幸福にならないとも限らないよ。」





 そしてしばらく経ったある日、逃げ出した馬が胡の良い馬を
たくさんつれて帰ってきました。そこで近所の人たちがお祝い
を言いに行くと、老人は首を振って言いました。




「このことが禍(わざわい)にならないとも限らないよ。」





 しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて足の骨を
折ってしまいました。近所の人たちがかわいそうに思って
なぐさめに行くと、老人は平然と言いました。




「このことが幸福にならないとも限らないよ。」





 1年が経ったころ胡の人たちが城塞に攻め入ってきました。
城塞近くの若者はすべて戦いに行きました。





そして、何とか胡人から守ることができましたが、その多くは
戦いで死んでしまいました。しかし、老人の息子は足を負傷して
いたので、戦いに行かずに済み、無事でした。



この物語から生まれた

『人間万事塞翁が馬』

と言う言葉は



世の中のというのは何が幸福につながり、
      何が不幸につながるか全く予測できないものである


というような意味で使われます。





今日の学び:「出来事の幸・不幸は後でわかる。」

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