document [名詞d́ɑkj əmə nt;動詞 -m̀ent] は「(証拠となる)文書、書類、公文書、記録」といった意味を持ち、an official document(公文書)、legal documents(法律文書)のように用いられます。
ジーニアス英和大辞典には語源・語形成が次のように説明してあります。
[初 名詞15c;動詞18c; 後期ラテン語 documentum(公式文書)より。 docu-(教え示す) + -ment(もの)] (「初」登場が名詞としては15世紀、動詞としては18世紀、という意味ですね。文書で確認できる初登場、ということです。)
docu- が「教え示す」ということなのですね。みなさんおなじみのdoctorも同じ語幹からできた言葉ですね。doctor [初 名詞14c, 動詞 18c;中世ラテン語 doctor(先生). doct-(教える) + -or cf. docile]
cf. (confer 比較せよ)となっているので、面倒がらずにdocileを調べてみましょう(^^;;)
docileという単語、発音は [doʊsaɪl] (どうさいる)で、「(人・動物が)(人に)素直な、従順な」という意味です。語源説明に[初15c;ラテン語 docilis(教えやすい). doc-(教える) + -ile(~できる、~に適した). cf. doctor] とあります。あ、今度はdoctorを見ろ、と…。戻ってきましたね。
他にも、時々ニュースなどでも聞くかな、「ドクトリン」という語も同語源です。なんだか薬の名前みたいな語ですが、「教義、信条」などという意味です。
ランダムハウス英和大辞典では次のように記載されています。
doctrine[d ɑ́ ktrin/ dɔ́k-] 1.(宗教の)教義、教理;(政治・学問などの)主義、信条。 2.教わったこと;(集合的)教え 3.教典
[c1380.中期英語 < アングロフランス語 < ラテン語 doctrǐna教えること]
発音記号の/ɔ/ は 逆さまCというあだ名の記号で、日本語の「オ」に近いですが、もう少し口をしっかり開けるイメージ。語源の < 記号は、その記号の右側の方が古い、つまり、より語源に近くなる、という意味です。この語も、同じくラテン語の「教える」からできたことが分かりますね。少し難しい語ですが、語源を見て、doctorという知っている語と同じ語源だと分かると、ちょっとはとっつきやすくなるかな?
語源を知るのは楽しいですね。
世の中にはすごい方が居て、毎週毎週、単語の語源を紹介するメーリングリストサービス、A.Word.A.Dayというのやっておられますよ!(Anuさん)
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テーマは月曜に説明されるのが普通ですが、時には「今週はクイズ!テーマを当てて下さいね」という時もあり、これがまた難しい!中には「単語の中で、文字がアルファベット順になっている」なんていうのもあり、わ~ よくそんなの見つけるなあ・・・です。
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(ちなみに、私はこのサービスの、しばらく分をまとめる号で、blase'(eの上にフランス語のアクセント記号)について、「ジャズのスタンダード曲You've changedに出てくる語ですね」とコメントを書いたら、同じく歌好きの、テキサスのお姉さんがメールをくれて、それから文通しています!バンドのVOさんで、とってもカッコいいのだ!私が仕事でオレゴンに行ったとき、バンドTシャツを滞在先に送ってくれました! 単語からこんなつながりが生まれるのも面白いですね。)