2月17日(木)

「レコードコレクターズ」で60年代西海岸ガレージ・サイケの人気バンドだった、ザ・シーズの紙ジャケ再発盤のアルバム評が回ってきたので、久々にザ・シーズの「FUTURS」、ライヴ盤の「RAW&ALIVE」等を聴く。ヴォーカルのスカイ・サクソンはもう死んでしまったが、90年代に彼がイギリスの若手ミュージシャンをバックに、ライヴをやっているDVDを持っていて、そこではガリガリに痩せ細ってはいるが、元気に歌うスカイ・サクソンの姿を見ることができた。シルヴァーの長髪を肩まで垂らし、かなりのサイケ爺の風格だった。



家の中には棚に入りきれないくらいCDが溢れかえっているというのに、相変わらず、毎日ヤフオクやアマゾン、ユニオン等の通販で中古や新譜CDを買っている。ジャンルは様々だが、やはり60&70年代のサイケデリック・ロックやアシッド・フォークの幻の再発盤となると、すぐになくなってしまうので、焦って買ってしまう。

最近では、アシッド・フォーク系、アシッド・ロック系のシンガー&ソングライターの好盤が多い。このブログのプロフィールのところにも書いてあるが、様々なジャンルの音楽が好きな中で、やはりアシッド・フォークやサイケ・ロックは僕の外せない分野だ。ソロ・シンガーではアメリカのアシッド・フォーク系では、ティム・バックレーとディノ・ヴァレンティが一番好きだ。最近ライノからティム・バックレーのファースト「TIM BUCKLEY」が、未発表音源との2枚組で出たので、即買ったが、今度は1枚しかソロ・アルバムがないと言われていたディノ・ヴァレンティがファースト・アルバム以前に吹き込んでいたという未発表音源14曲入りの「GET TOGETHER」というアルバムが出た。12弦ギターの弾き語りを中心としたフォーキィなアルバムだが、やはりディノの変幻自在に宙を舞う、マジカルなヴォーカルは、サイケな浮遊感に満ちていて素晴らしい。アシッド・フォークとは、その名の通り、クスリをやってぶっとんでいる感じのようなフォークという意味である。


イギリスではニック・ドレイクや、ニック・ギャリーなどが好きなのだが、ニック・ギャリーも40年ぶりの新作「49 ARLINGTON GARDENS」を出した。昔のファーストのころのようなアシッド感はさすがに無くなっているが、曲のメロディラインがポップで、それを歌う彼の声は優しい憂いに満ちていてなかなかよかった。



こういったサイケやアシッド・フォーク系のアルバムは、当時も発売枚数が極端に少なく、すぐに幻のコレクターズ盤となり、高値で取引されてきたのだが、最近はそういった幻の希少盤が次々にCD化されていて、買っても買ってもまた次が出てくるのである。

そんな中で最近はまっているのが、1970年にアメリカのマイナーレーベルから出たボブ・スミスの「THE VISIT」というアルバム。これが素晴らしい作品で、ボブ・スミスの声はティム・バックレーにくりそつで、おまけにバックにはフランク・ザッパのマザーズ・オブ・インベンションのメンバーなど、腕達者なミュージシャンたちが素晴らしい演奏をつけていて、おまけにボブ・スミスの作る曲もどれもサイケでアシッドな夢幻感漂うもの。ちょっとオカルト・チックなジャケットだが、どこかで見つけたら買っておいて損はない。アシッド・フォークというより、サイケ・ロックとアシッド・フォークの融合されたような素晴らしいアルバムだ。


http://www.youtube.com/watch?v=eQqYzRi_B54&feature=related


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