ヒマラヤのヘリコプター救助最前線 | みいさんのブログ・・ヘリコプターが好き

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四国香川を拠点に、撮影したヘリコプターの写真。
備忘録として。たまには固定翼も。
写真データは「フォト蔵:http://photozou.jp/photo/album/1164280」

「この世界の片隅に:http://konosekai.jp/」を応援中。

NEPAL: Helicopters revolutionise mountain rescue in Nepal:ヘリコプターがネパールの山岳救助を変える。

Fishtail Air HP
Air Zermatt HP」 

記事勝手訳
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FROM AFP BY CLAIRE COZENS (AFP) カトマンズ発:

「SabinBasnyat」は歴史に名を残しました。
彼の操縦するヘリコプターは、精魂付き果てたスペイン人クライマー3人をアンナプルナから救出しました。これはヘリコプターによる救助活動では、もっとも高高度で行われたものです。
ネパールの「Fishtail Air」とスイスの「Air Zermatt(ヨーロッパアルプスにおいて40年の救助実績を持つ)」による新しい挑戦のおかげでした。
「SabinBasnyat」は言います。
「私たちが救出しなければ、彼らは凍傷と高山病に苦しんで本当に危険な状態でした。」
「彼らは仲間を一人置き去りにしなければなりませんでした。彼らにも自力下山の可能性はありませんでした。」

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ヒマラヤでのヘリコプター救助活動に新時代が開かれました。
つい最近まで、高度4500m(エベレストベースキャンプの約1,000m下)でさえ飛行可能なヘリコプターは無く、シェルパのチームしか頼るものはありませんでした。

2009年11月、スロベニアの登山家「Tomaz Humar」はネパールのランタンリルン南壁へ単独登攀に挑み、墜落して負傷、死亡しました。
「Fishtail Air」は、7,000m以上の高度を飛べるユーロコプター AS350B3エキュレイユを入手していました。
しかし「Fishtail Air」のパイロットには、切り立った山肌に着陸することは不可能でした。
この事故の際、「ヒューマンスリング:長吊り」の救助法で知られ山岳遭難救助のパイオニアでもある「Air Zermatt」は、現地へ救助エキスパートを派遣しました。そして救助活動に「Fishtail」のヘリコプターを使用したのです。
(略)

「Air Zermatt」の「Gerold Biner」は言います。
「この種の救助活動の重要性について疑う余地はありません。」
「工業技術が発展しているということです。私たちは、今年ロシア人の登山家の遺体をエベレストから収容しました。」
「現在エベレストは一日に200人が登る山です。最高の登山家はさらに急峻な未踏のルートに挑戦していくことを意味します。」
「事態をより安全にすることができるなら、そうするべきです。」

「Fishtail」はネパールで唯一の高高度飛行可能なヘリコプターを保有していたので、「Air Zermatt」は訓練のためにパイロットを受け入れることにしました。
「Fishtail」の「Suman Pandey」は言います。
「「Air Zermatt」は自身の技術と経験の普及に夢中でした。」
「3月に私達のヘリコプターパイロットの「SabinBasnyat」と「Air Zermatt」を訪問しました。」
「「SabinBasnyat」は過去に「Air Zermatt」の訓練を受けていました。」
「次のステップは、登山のハイシーズンに「Air Zermatt」のエキスパート達と待機任務に就くことでした。」
訓練期間中に、「SabinBasnyat」は機長として救助飛行を行いました。

2010年4月28日。「Fishtail Air」は、スペインのアンナプルナ登山隊隊長から「隊員のトーロ・カラファトが雪盲になり7,500mで立ち往生している。」との救助要請を受けました。
「Fishtail Air」はカラファトの救助を何度も試みたのですが、救出できませんでした。カラファトは死んだものとされました。
しかし、登山隊の3人のメンバーが6,950mまで下山してきました。彼らの救出の可能性が見えてきました。
その高さまで上がるために、ヘリコプターはドアとすべての座席を外して軽量化しなければなりませんでした。
ヘリコプターは何とかスペイン人三人のそばまで近寄ることができ、「ヒューマンスリング:長吊り」の救助法で一人ずつ救出しました。三人はカトマンズの病院に運ばれました。
2週間後チームは、ネパール北部のダウラギリで悪天候により遭難した5人の中国人の登山家と5人のシェルパを救出しました。

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これらの救助活動に要した2万ドルの費用は本来登山家が支払うべきなのですが、「SabinBasnyat」の訓練になったということで「Air Zermatt」が負担しています。
ネパール人パイロットに「ヒューマンスリング:長吊り」の訓練を行いヒマラヤで救助活動を変革するための基金を設立しようとしています。

本来登るべきでないヒトが、ヘリコプターに乗ってヒマラヤに押し寄せるかもしれないと恐れる登山家もいます。技術の無いヒトがヘリコプターでエベレストに登頂することが可能になり、登山の冒険性を殺すと言う人もいます。
しかし、ほとんどの登山者は新しいサービスを歓迎しています。

「Air Zermatt」の「Gerold Biner」は言います。
「エベレストはすでに1日200人の人間が登頂しています。もはや冒険の対象とは言えません。」
「困っている人々を助けたいと思っています。なにが問題なのでしょうか?」
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ネパールは「アジアのスイス」として、「世界の観光地」を目指しているようです。
このヘリ救助技術の交流もその一環としてみるべきでしょう。