整体コラム⓬
内臓自動力の機序…その十一「心臓(縦隔)の自動力」の発生源と効率的な手技について
前著“整体コラム⓫ 内臓自動力の機序…その十「肺の自動力」の発生源と効率的な手技について” に続く第十一弾として、次は心臓(縦隔)について考えていきたい。
・まず、オステオパシーでは心臓(縦隔)の自動力を次のように教えている。
エクスパー=胸骨の後上方への動き
インスパー=元に戻る逆方向への動き
これらエクスパー⇔インスパー交互運動も、胃や肝臓その他の臓器と同期して生じている、と述べられている。
・胚子形成期の心臓は、3週の始め頃より胚子のほぼ最上端(☚口咽頭膜付近)において頭側内胚葉からの指示によりNKX2.5と呼ばれる転写因子がBMP2および4の存在下に臓側中胚葉を誘導することで心臓形成が開始される。そして4週始めには、某球団の応援時に使用される様な心筒と呼ばれる”細長い風船”が形成され、この筒を元にして、これを何度も折り曲げたり斜めに捻じったり、あるいは孔を開けたり壁を増やしたり押し込んだり、さらには新たな管を伸ばして血管を作ったりなど、、、様々な複雑な過程を繰り返して、7~8週目には我々に馴染みのある心臓がほぼ完成されていく。そして上記経過中に、胚子の最上方に位置していた心臓原器は次第に下降し、横隔膜上面に付着する。
・オステオパシーでは、内臓の自動力は心臓拍動や呼吸運動あるいは自律神経的な機序などに付随・由来する動きではなく「内臓独自の固有の動きである」とされ、その動きのエネルギー源については不明であるが、胎児期における内臓形成時の動きに関係している、と述べられている。しかし、こと心臓に関しては(肺も含む)例外で、上記の胎児期における心臓の動きは、その自動力には直接的には関与していないのでは、と考える。実際、心臓の自動力方向は冒頭に記したように「後上方⇔前下方」といった振り子様の極めてシンプルな動きであるのに、胎児期の心臓形成は先述のように、心筒と呼ばれる筒状組織が前後・左右・上下・斜め方向に幾度となく複雑に折り曲げられたり捻じ曲げられたりするので、その運動方向に一貫性が無いからである。従って心臓の自動力源については、もっと単純に、別のエネルギー源を素直に考えていきたい。そこで注目すべきはやはり前著で記した「肺の自動力」が関連している、と考える。
・前著“整体コラム⓫ 内臓自動力の機序…その十「肺の自動力」の発生源と効率的な手技について” では、左肺と右肺の自動力源について考察したが、そのエクスパー時の動きは「左肺・右肺の垂直軸(下外側斜方軸)の内転」であった。
・そして次に注目すべき部位は肺動静脈や気管支である。つまりそのエクスパー時(☚肺の内転運動)において左右の肺動静脈と気管支は肺の内転につられて後方に引き寄せられる。肺の動静脈は心臓上部に位置し、また気管支はさらにその上方に位置しているので、この際心臓上部は後上方に引き寄せられる。すなわち、これこそが心臓のエクスパー運動源であり、肺と同期して動く誘因となる。次のインスパー時には肺は外転するので左右の肺動静脈と気管支は前方に押し戻される。従って上記と逆のインスパー運動が発現される。
・以上の事から心臓の自動力は、肺と同様に胎児期の内臓運動とは関係なく、胎児期の胃の90度右回転を維持している胃-食道接合部平滑筋の持続的回転収縮力が胃-肝臓➡横隔膜➡肺(横隔胸膜)➡肺動静脈・気管支と伝播する事で達成されるもの、と結論する。
・尚、インスパー時には下記の諸靱帯・間膜の弾性力もエネルギー源になっていると思われる。
1,心膜横隔間膜
2,上胸骨心膜靱帯
3,下胸骨横隔靱帯
4,椎骨心膜靱帯
5,肺・胸膜自体の弾性力
・臨床的観点からすると、上記仮説の様に、心臓自動力は肺の自動力に関連すると考えられるので、オステオパシーが教えるように心臓への施術の前に斜角筋群を含む提靱帯や肋骨胸膜、横隔胸膜(横隔膜)、縦隔などの解放を事前に施術するのは当然であるが、それに加えて(肺の所でも述べた様に)胃や肝臓などへの下記の様な手技も、必要に応じて追加すべきと考える。
a,下部食道括約筋解放テクニック
b,胃-平滑筋テクニック
c,下横隔動脈解放テクニック
d,横隔膜脚解放テクニック
e,胃横隔間膜解放テクニック
f,食道動静脈解放テクニック
g,肝冠状間膜、左・右三角間膜解放テクニック
h,肝胃間膜解放テクニック
i,肝鎌状間膜解放テクニック
j,肝円索解放テクニック
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