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「本当のことを書いたのに…」生徒・教師らが明かす「合格体験記」のリアルな内幕 検閲の実態、明らかな盛り、役立つ活用法
3/27(水) 19:15配信
マネーポストWEB

 年度の変わり目によく目にするのが「合格体験記」だ。これから試験に挑む受験生の参考になるのはもちろん、単なる読みものとしても興味深いが、そこに書かれている内容は、どこまで“真実”を表しているのか。合格体験記が世に出るまでには、さまざまな人たちの思惑が交錯している。

 今から20年以上も前、高校の先生に合格体験記を頼まれたTさん(40代/女性)には、いまだに苦い思い出が残っている。

「第1志望の大学に合格したその日に、担任の教師から自宅に電話があり、合格体験記を書くように頼まれました。その高校からW大学の合格者が出たのは数年ぶりだったので、指名されたというわけです。

 私は深く考えずに、勉強は塾が中心だったこと、帰国子女だったので英語の勉強はほとんど必要なかったことなど、実際の勉強事情を書きましたが、教師からは書き直しを命じられてしまいました。学校側にしてみれば、学校の勉強がまったく役に立っていない書きっぷりだったので、期待していた体験記と違ったのでしょう。でも『ウソは書けない』と突っぱねてしまい、書き直しもスルー。結局ボツになり、気まずい雰囲気のまま卒業しました」

 学校や塾から発信される合格体験記には“検閲”が入りがちだ。原稿の不都合な部分をばっさりカットされたという人も少なくないようだ。Fさん(20代/女性)もその一人。

「ウチの高校は世間的には進学校と呼ばれていますが、実際には受験対策はなきに等しい。どの科目も進度が遅く、教科書は最後まで行かずに終わりますし、“選択する生徒が少ない”という理由で、政治・経済や地学の授業はありせんでした。なので、その不平不満を書き連ねたところ、冊子には科目ごとの勉強法を書いた部分だけが掲載されていました」

依頼側が「書いてほしそうなこと」を書いてくれる生徒
 塾業界歴は20年以上で、現在は神奈川県で進学塾を経営するNさん(40代/男性)は、“検閲する側”だ。

「合格体験記を頼む生徒たちには『自由に書いて』と言いますが、そのまま載せるわけにはいきません。よくあるパターンは、『すごく勉強した』か『これだけしか勉強しなかった』か、どちらか極端に書いてしまうもの。辛い受験生活を思い出して、自分を美化しちゃうんです。

 もちろんそのまま載せるのもアリですが、以前、合格体験記を読んだ受験生がその大学生に家庭教師をしてもらうことになり、合格体験記の内容が大ウソだったことがバレてトラブルになったことがありました。それ以来、“明らかに盛ったな”という部分は削ったり書き直してもらったりしています」

 都内の高校で教鞭を取るYさん(50代/男性)は、あけすけに「書いてもらう側」の内情を明かす。

「言い方は悪いですが、合格体験記を書いてもらうにあたって、“こちらが書いてほしそうなことを書いてくれる生徒”、つまり“分かってる子”が選ばれがちなのは当然のなりゆきです」

どうしても“盛ってしまう”傾向
 10年ほど前、難関の国家試験に合格したNさん(40代/男性)は、自分の合格体験記についてこう振り返る。

「合格に浮かれて合格体験記の依頼を受けてしまいましたが、振り返ると普通の勉強しかしていないんですよ。誰もが使うテキストを使い、平均的な量の勉強をして、人並みの受験回数で合格しただけ。けど、それでは合格体験記が成立しないので、『仕事が終わってから予備校に通い…』とか『子育てをしながら…』とか、一生懸命ドラマティックなエピソードをひねり出しました。ただ、文字にすると凄そうに見えるけど、大なり小なり、みんな似たようなものじゃないですか」

 根っこにあるのは「当たり前のことを書いても面白くない」というサービス精神だが、中には酷いものも存在する。前出・Nさんは、塾業界の“闇”について語る。

「ライバル校の折り込み広告は必ずチェックしますが、かなり昔の東大合格者の体験記を何年も使い回しているのを見たこともあります。本命に受かったのに第2志望や第3志望に落ちた子が、見栄を張って『全部受かった』と書くのもありがちですね」

気に入った人のやり方だけマネた
 もちろん、全てが信用できないというわけではない。難関国立大学に現役で合格したMさん(20代/男性)は、気に入った人の合格体験記にあった勉強法をマネして合格をたぐり寄せた。

「中高一貫校なので、1つの上の先輩はほぼ全員、顔見知り。キャラクターも何となく分かるので、『この人の言うことなら信用できるな』という人のものを参考にしました。自分と同じ大学の志望者で、同じぐらいの成績で、得意科目や苦手科目まで同じだった先輩がいたので、その人をフルに参考にしました」

 Kさん(40代/男性)は7度目の挑戦で司法試験に合格した苦労人だが、合格体験記からは具体的な勉強法よりも姿勢を学んだという。

「合格体験記の中には、本当に人生をかけて挑戦して合格を掴み取った人もいて、心が挫けそうになると、そういった人の体験記を読み返していました。ハッピーエンドの映画を見るような気持ちですね。

 勉強法は本当に人それぞれですが、私はそれを“どんなやり方でも合格出来るんだ”と解釈して、最後まで自分が考えたやり方を貫きました。どうせ合格に近道などないのですから、気に入ったところだけ参考にするぐらいが丁度良いんじゃないでしょうか」

 書く側にまわる日を想像しながら読むのも、1つの活用法かもしれない。(了)