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取材に一時虚偽説明 花火中止で印西市 「点火装置異常」を訂正

千葉日報オンライン 9月6日(火)8時46分配信

 千葉県印西市が8月27日夜に開催予定だった「印西花火大会」を開始時間後に急きょ中止した問題で、市は中止理由に挙げた花火業者の作業遅延の原因として一時「点火装置の異常」と説明していたが、「そのような事実はなかった」と5日訂正した。業者が装置の異常を否定したことを受けて千葉日報が市を取材すると、市はいったん、「(原因を)装置の異常とは説明していない」と回答。取材記録を示すと一転し、虚偽説明を認めた。

 市は8月31日に中止理由を「花火業者の作業遅延」などと発表。遅延理由として市経済政策課の担当者は「点火装置に異常が起きた。風でかぶせていたシートが飛ばされ、雨風で異常が起きたのでは、と業者が話している」などと説明していた。

 これについて業者が「そんな報告はしていない」と否定したため、千葉日報は5日、同課に確認。すると、「そもそも、市は取材で『点火装置の異常という報告が業者からあった』という説明はしていないし、業者からそうした報告も受けていない」と文書で回答。記者が虚偽説明であると迫っても同課は繰り返し否定したが、やりとりの音声記録を示すと、ようやく虚偽説明を認めた。

 虚偽説明について同課は「思い違いだった」と釈明。点火装置の異常と説明した理由については「『強風でシートがなびき、防水作業に時間を要した』との業者の報告を、装置の異常と捉えてしまった」とした。

 一方、台風の影響でぬかるみがひどく、花火の設置が難航したと業者が主張している利根川河川敷の打ち上げ場所を市が整備せず、状況も把握していなかったことについては「業者から問題があるとの報告はなかった」とし、対応は適切だったとの考えを示した。

 市制施行20周年を記念し、15年ぶりの開催予定だった同大会は、事業費4千万円を投じて8800発を打ち上げる計画だった。市は中止理由を4日後に発表し、対応に市民の苦情が殺到していた。