「大人のためのタイカレー」トムカーカレー(北野セレクション/2015) | 楽団長のレトルトカレー図鑑

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図説:レトルトカレー古今東西。


【製品情報】

タイ原産×輸入者:TFBファクトリーフーズ株式会社×販売者:北野クリエーション、120g、¥不詳-@不詳、2015/09期限。

「Tom-Kha Curry」「まぐろを使用した本場のタイカレー…」云々。


【解   説】2015/06

隊長からの頂き物です。厚く御礼申し上げます。

柑橘系の爽やかな香り、世に云うホワイトカレー的な色合い、それがサラサラ状ソースと云うところが、乳製品を主体とした所謂ホワイトカレーの類いとは完全に一線を画する。此方の場合の白は、ココナッツミルクによるもの。

コブミカンの葉や赤唐辛子の他は、まぐろがボカボカ入っているのだが、イナバのタイカレー缶には無い色合いだし、味の方も完全に異なる。トムカー云々は元々はトムカーガイと云う料理で、タイで云うところのカレーに当たる「ゲーン」とは又別の料理らしい。「ガイ」は鶏で、本品はマグロな為、ガイをカレーに置き換えたものと思われる。

しかし「トムカーカレー」って何か妙な響きだ。

材料に当たる言葉=「鶏」→「マグロ」に置き換えるのではなく、「カレー」と云う調理様式を指す単語は同様の「トムカー」と重複する上、タイ語と英語が混ざっており、かなりの混沌状態だからであろう。


日本の場合、お店によっては「白いカレー」としてトムカーガイを出しているところもある様だ。
ひと昔以上前だが、東南アジアを旅して喰い歩き、思ったのは、「御飯に掛けるもの全てが或る意味カレーであり、或る意味そうではなく、そして此方がカレーだと思えば、其れは全てカレーである。」と云う事だ。
カレーの定義に拘る事自体がナンセンスに感じられたりする、日本とは異なる食文化の系譜をまざまざと体感させられた貴重な体験だった。

さて置き、本品。
柑橘的酸味風味も心地好く、然して辛くもなく、中々美味しく頂きました。御馳走様でした、有難う御座います。


姉妹品で「パネーンカレー」がある。ちなみに「大人のための」云々については記載が見当たらず、決して激辛の類ではない為、謎である。しかし意味ありげなのか朱色の直パッケージ袋はインパクトがある。