こんにちは。gakubijiです。


僕はこれまで、サッカーチームを題材 に2回、アーティストを題材 に1回、ブランディングについて書きました。この題材の共通点は、顧客との関係が「ファン」であることです。

 

僕は企業ブランディングの目指す所は「ファン作り」であると考えています。だからこそ、「ファン」や「サポーター」と言われる顧客基盤を持つ、スポーツやアーティストの活動からは、学べる点がとても多いと思うのです。

 

今日はサッカーシリーズの第3回なのですが、今回取り上げるチームは、中々ファン作りが難しい環境からスタートして、現在大成功しているチームなんです。

 

そのチームの名は「鹿島アントラーズ」。
http://www.so-net.ne.jp/antlers/
 

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Jリーグ優勝7回を誇り(全チームの中で最多)、Jリーグ発足18年間、何と10位以下になったことがない日本一の実績を持つクラブチームです。

 

この鹿島アントラーズ。どこがファン作りしにくい環境だったかというと、その立地です。地域密着色の強いJリーグでは、スタジアム周囲の人口が重要な要素になっています。鹿島スタジアムの半径30キロ圏内の人口はわずか78万人で、何とJリーグ最少なのです。熱心なサポーターで有名な浦和レッズが1700万人ですから、その差は歴然です。


しかも、鹿島スタジアム、交通の便が非常に悪いのです。東京在住の僕も、一度だけ鹿島スタジアムに行きましたが、3時間くらいかかりました。。

 

さて、そんな状況の中で鹿島アントラーズが取り組んだことは2つ。
①ファン作りも含めた経営基盤の強化
②チーム強化
この2つは他のチームでも言えることですが、その徹底ぶりに大きな差があります。

 

①ファン作りも含めた経営基盤の強化
・顧客管理システム導入
人口が少ないため、リピート率を高める以外に道はなく、何と1994年に顧客管理システムを導入。顧客情報とマーケティングのデータ蓄積を独自にスタートしています。

・スタジアム指定管理者契約を結ぶ
 

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顧客に魅力的なスタジアムにするために、官公庁管理のままでは経営スピードが大きくにぶります。そこで、茨城県と管理契約を結び、自由にスタジアム を使える権利を手にしたのです。これにより、VIP用の年間指定席を作ってビジネス需要を取り込んだり、地元の農協と提携してスタジアム内で販売を開始す るなど、柔軟に変化し続けています。
 

・多角化
前述の地域農産物の販売事業もそうですが、今年から、プロのトレーニング方法を活かしたフィットネス事業も始める予定です。サッカーチーム経営で培った強みを他に活かす挑戦は、他のJリーグチームには見られない特徴です。

 

このような企業努力によって、何と自己資本比率72%の超優良企業にもなっているのです。

 

②チーム強化
とにかくチームとしての力を最大限発揮するために、鹿島アントラーズはこのような工夫をしています。

獲得した選手は、すぐに芽が出なくとも、3年間は「クビ」にしない
基本フォーメーションを4-2-2とし、戦術理解や連携を深める
得する外国人はブラジル人に限定し、言葉や文化の壁を小さくする
 

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(現在は例外として韓国人選手が在籍していますが、隣国なのでギャップはそれほど大きくないと予想されます。)

 

以前紹介した世界最強のクラブ、FCバルセロナも、長期的にチームを強化するためにクラブフォーメーションを4-3-3と設定し、ユースチームから一貫して戦術を叩き込んでいるのにも似ていますね。

 

鹿島アントラーズの凄みは、集中力。限られた資源を活かしきることに集中する。そして、そのためには幅広い選択肢を捨てることもためらわないことです。
ブラジル人以外の助っ人という選択肢を無くすことは、可能性を狭めるリスクがあります。それでも、スカウトの力は集中できますし、ブラジルとのパイプはどんどん強くなっていきます。

 

リスクを冒してでも、決めた方針に集中する。当たり前のように見えて、何と大胆で難しいことでしょうか。資源が限られている中小企業、そして日本全体にとっても、良いお手本になると思います。

こんにちは。gakubijiです。

 


先日家電量販店に行った所、シャープのガラパゴス の販売促進イベントをしていました。電子書籍関連事業。盛り上がってますね。

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iPhone、iPad、キンドルといった、先行外資企業に対し、ソニーのReaderやシャープのGALAPAGOS、ドコモやAUのスマートフォンなど、国内企業も、電子書籍を閲覧できる端末の開発を急いでいます。

 

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今までのリアル書籍を電子書籍化するにあたっては、大きく3つの課題があると思います。


①権利の課題(著作権や、どのように利益配分するか、等)
②流通の課題(販売は誰がどこで行うか、どのようなデータ形式で配信するか、等)
③閲覧の課題(閲覧端末の開発、等)

 

今年は、この課題に業界をあげて動き始めた年でした。

 

大手出版社31社が3月に「電子出版社協会」を設立した他、DNPと凸版印刷が7月に「電子出版制作・流通協議会 」という団体を立ち上げました。直接的なライバル関係にある両社が手を結ぶのは実に100年ぶりとのことで、業界としての本気度を物語っていますよね。

 

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さらに、前述した閲覧端末だけでなく、流通分野でも競争は激化しつつあります。


先行するソフトバンクは、6月から定額コンテンツ配信サービス「ビューン 」を開始。iPhone、iPad向けに雑誌や新聞などの配信サポートを始めました。

 

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AUも対抗します。
ソニー、KDDI、凸版印刷、朝日新聞が7月に電子書籍の新会社設立を発表。11月に事業企画会社「ブックリスタ 」として設立されました。

 

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さらに、NTTドコモとDNP、DNP傘下の書店丸善なども、電子書籍新会社設立を8月に発表。12月21日に「トゥ・ディファクト 」として設立されました。

 

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アップルやアマゾンの流通・閲覧スタイルは、appstore、amazonで販売して、iPhone、iPad、キンドルで閲覧するという、1社による「垂直統合型」です。
一方、国内企業連合のコンセプトは「オープンな水平分業型」。どのような端末でも閲覧できるよう、配信データの対応で差別化する方針です。

 

国内企業連合とコンセプトが重なるのはグーグル。既に300万点の書籍数を誇るグーグルは、来年3月までに欧州で、来年中には日本でそれぞれ販売をスタートする計画です。

 

 

 

今まで国内に電子書籍が浸透しなかったのは、購入できる書籍の数不足が原因だとされています。日本語表記が英語表記よりも電子化に適していないとい うことも大きいでしょうが、300万点の書籍を保有しているという事実は圧倒的です。(ちなみにDNP連合はまず10万点を目指しています。)

 

流通に強いアマゾン、端末で先行くアップル、オープンなプラットフォームというブランドイメージが強いグーグル。これらの巨大な3企業と国内連合は正面からぶつかります。国内企業連合は、3社にひけをとらない独自性を作っていかねばなりません。産業の構造が変わる戦国時代ですね。

 

 

 

本当に業界のくくりだけで考えていては勝負にならない時代になりました。自社が蓄積してきた技術、ノウハウは何なのか。それをさらに強め、顧客に新しい価値を提供するために、何が必要なのか。圧倒的な力(資金や技術、ブランドなど)を身につけ1社だけで突き進むか、強みのある企業同士が集まって相乗効果を生み出すのか。

 

消費者は正直です。最も使いやすく、最も親しみが持てる流通、閲覧方法を選ぶことでしょう。消費者に対して新しい体験をもたらす覇者はどこになるのか。いずれにせよ、マーケット規模が拡大していくことだけは確実です。電子書籍戦争のゆくえ、非常に気になりますね。

 

こんにちは。gakubijiです。


今日は、2回目のサッカーチームネタです。

 

以前はFCバルセロナ という世界でも最も有名なクラブの一つについて書きましたが、今回は、今後注目のクラブの紹介です。


ゼニト・サンクトペテルブルク というクラブをご存知でしょうか?

 

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日本代表の本田選手、松井選手らが在籍するロシアリーグ。2010年度のシーズンはつい先日閉幕したのですが、ゼニト・サンクトペテルブルクは今シーズン、2回目の優勝を成し遂げました。


2005年からロシアの天然ガス企業「ガスプロム」社 が経営権を握っており、最近メキメキ力をつけてきているクラブで、2008年には、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ。ヨーロッパで2番目に大きな大会。)も制しています。これはロシアのチームとしては史上2回目という快挙です。
 

 

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ゼニトの強さの背景には、ガスプロム社の豊富な資金力がありますが、ガスプロム社の方針には、2つの軸があるように思います。

 

それは、『時間軸』と『目的』。

 

■時間軸:短期よりも長期目線で考えている。


最近は大富豪によるサッカークラブ買収が相次いでいます。(チェルシー、マンチェスターU、マンチェスターC、リバプール)その中でもゼニトは、例えばイングランドのチェルシーのように、一気に巨額な有名選手を買い集めたわけではありません。

 

それとは真逆なんです。


超一流の選手ではなく、超一流の監督、コーチ陣を呼ぶことをまず優先に考え、じっくり最先端の技術や戦術をクラブに浸透させていく方法を選びました。
 

 

 

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※現ロシア代表監督ディック・アドフォカート氏

 

理由は、ロシア独特のサッカー事情にあります。

 

国土面積上、移動距離がどうしても長くなり、冬の厳しい気候特性もあるロシアのクラブチームは、
スポーツ選手からやや敬遠される傾向にあります。(ちなみに国をあげて、完全室内のスタジアムを計画中だそうです!!)


また、現時点ではスペインやイングランドのビッグクラブの方がブランド力があるため、優秀な選手の引き抜きはしばらく避けられそうにありません。


だからこそ、時間がかかっても最先端のノウハウを蓄積させていくことに大きく投資し続ける選択をしたわけです。


■目的:サッカーそのものではなく、ロシアという国のブランディングを目的に据える。


時間軸の話とも大きくつながるのですが、ガスプロム社が投資をしているのは、元々人気の高い欧州トップリーグのクラブではなく、国内のクラブです。


ガスプロム社は、半国営企業でロシア国内では独占に近いシェアを握っていますが、欧州での事業拡大では苦戦しています。スポーツチームの投資による宣伝効果を狙うのであれば、欧州のビッグクラブを買収した方が早いわけです。

 

それでも、ロシアのクラブにあえて投資をした。

 

これは目的がロシアサッカーのブランディング、ひいてはロシアという国そのものブランディングを目的としたものだからなのでしょう。

 

歴史的にロシアではスポーツ人気が欧州より低かったという事情があり、それは、政治情勢が不安定であったり、経済的にも苦しかったことが理由と言われています。


しかし、近年の経済発展でスポーツ人気はどんどん高まってきており、サッカー中継の視聴率は高まってきています。(ユーロ2008ではロシアVSスウェーデンで何と67%、ロシア史上最高視聴率を記録しています。)


人の関心が集まることで、可能性がある魅力的な市場になったわけです。


※事実、韓国のサムスン電子 は、ロシア代表の前ヒディング監督と広告契約を結び、大々的にメディア露出を行っていました。

 

もちろん、ガスプロム社がゼニトに投資していることは、ゼニトが力をつけて欧州で活躍することで、自社の欧州事業展開を後押しするものだという意図はあると思います。

 

ですが、それ以上にロシアサッカー、そしてロシアという国をブランディングしていくことで、ロシアの市場価値をさらに高め、資本を集めていくこと が、長期的利益につながると判断したのでしょう。高い国内シェアが強みであるからこそ、国の経済発展が自社利益とも直結するんですね。

 

ロシアは今、国を挙げて経済発展に力を注いでいることは明らかです。2014年ソチ冬季オリンピック、2018年ワールドカップ開催も決まりました。資源によってキャッシュを稼ぎ、スポーツを突破口に世界から資本を集める。


ユニークな戦略を進めるロシアで、着実に長期計画を推進するゼニト・サンクトペテルブルク。
今後の展開から目が離せません。

こんにちは。gakubijiです。


職業柄、新しい情報の収集や知識を深めるため、色々な本やセミナーを活用しているのですが、その一貫で先日、グロービス経営大学院の体験授業を受けてきました。





MBA取得のための数ある講座の中から1講座体験する授業です。


以前ブログに書いた「ストーリーとしての競争戦略」を読んで以来、「アカデミックな知」を改めて学んでいきたいと思っていたものの、MBAについては具体的な講義を受けたのは今回が初めてでした。


日本にある経営大学院のほとんどは学校法人発(○○大学の大学院という位置づけ)ですが、グロービス経営大学院は、1992年設立の民間企業発(株式会社○○の大学院という位置づけ)の大学院です。※現在は学校法人に形態を変えています。


大学院として開学したのは2006年。にも関わらず、東京・大阪・名古屋にキャンパスを持ち、年間受講者人数300名と日本最大級の経営大学院となりました。さらに、学生満足度において2年連続NO1にもなっているのです。(出典:日経キャリアマガジン「国内MBA学生満足度ランキング」より)



なぜグロービスは経営大学院としてこれほど成功しているのでしょうか?



僕は民間企業発だったからこその事業展開の仕方に成功の理由があると思います。世界観を明確に定め、それをいくつかの事業を通して発信する。これを徹底しているのです。



グロービスの企業スローガンは、


「創造に挑み、変革を導く。」


グロービスは、「ヒト」・「カネ」・「チエ」のビジネスインフラを構築し、社会の創造と変革をサポートします。(グロービスHPより抜粋)




僕はこの企業スローガンをこう解釈しています。


グロービスのやりたいことは、
「ホンモノの知」に触れる機会を増やしていくことなのではないか。


「経営理念」と検索して一番上位に出てくる会社である面白法人カヤックは、「様々なWEBサービス」を通じて「つくる人を増やす」仕事をしていますが、


株式会社グロービスは、「知に触れる機会提供」を通じて「創造と変革する人を増やす」仕事をしている、と感じます。


これが事業においてどのように発信されているのでしょうか。
グロービスと学校法人発の経営大学院を比べると明確です。

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【グロービスの事業】
■個人向けスクール事業
・経営大学院
・単科生
(経営大学院の単位として認定される講座を1つずつ取得できる制度です)
・グロービスマネジメントスクール
(自分で好きな科目を選んで自由に講義を受けられる制度です)
・著名人の講演会
(12/18にはティナ・シーリグ氏が講演されます。)

■法人向け研修事業

■一般向け情報発信
・GROBIS.JP
・グロービスMBAシリーズの出版
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【学校法人発の経営大学院の事業】
■経営大学院事業
※全日制、夜間制、通信講座制という形態のいずれかを持つスクールが多いです。
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このような事業展開をしていることにより、下記のようなメリットが生まれます。

①幅広い見込み客フォローができる
・誰でも安価で講義を体感できる。
・将来MBA取得を考えている人も、単科生という所からスタートできる。
 ※時間、金銭面での販売機会ロスが減る
・書籍やGROBIS.JPファンから少しずつ経営大学院で学びたい人が出てくる。

②ノウハウのリアリティが向上する
・大学院の講義と企業コンサルティングが融合する。
 ※企業コンサルティングで得たデータを下に大学院の教材クオリティが上がる。
  ⇒大学院の教材を利用して、企業コンサルティングのクオリティが上がる。


メリットを生み出した一連の事業展開は、蓄積した知を、様々な形で様々な対象ごとに伝えていくものですから、正に「ホンモノの知」に触れる機会を増やす、というグロービスの世界観を体現しているものなのです。


おそらくグロービスは、自社を「経営大学院」でも、「研修会社」とも定義しておらず、あくまでも「知の機会の提供者」と定義づけているのではないでしょうか。


世界観の純粋な体現による事業展開は、とても自然で相乗効果を生むものです。このようなブランディングの仕方が、長期的に業績をあげ続けるブランディングなのだろうと思わずにはいられません。