近くにあるカフェの窓際に腰掛け、ゴミを貪る牛を眺めながらいつの間にかその異様な光景に何の驚きもおぼえない自分に驚くのはインドにきて2日目の昼下がりのことだった。
その日は年に一度きりの大きな祭りだったことから、こんな洗礼
をされたら驚かなくなるのも無理はない…。
たまたま行った日は365分の1確率での春の訪れを祝い、色水などを掛け合い、最後にハグしてハッピーホーリーと一言交わす世界の中でもめずらしいカオスな祭りホーリー祭ということでタイミングの良さは良くも悪くも流石だと自分でも思うほどだ。
動物大好きな自分が牛、ヤギはともかく野良犬にさえ怯えながら道を歩いていた最初の頃が信じがたいほどだ。
旅終盤には靴紐を結んでいる女性を牛と勘違いする始末にいたるまでは色々なところをまわった。
中でも1番の目的といっても過言ではないガンジス川での朝日は格別だった。
ちなみに、全てを包み込まれて心が洗われたなんて、書かないからね…笑
そんなもんじゃない何かよくわからないが何かを感じた。正直言うとまだ整理がつかない。
旅をすることで何か答えが出るものだと今まで思っていたが旅をすることでまたさらに新しい何かがみつけられたと感じて眺めた帰りの飛行機の窓の外。
それらは新しくみつけたものであったり忘れていたものだったりする。
物乞いや詐欺などもそうだ。
ただ一番にしっかりと感じられたのはインドの方々の活気だ。
彼らと共に過ごした数日間はとにかく刺激を受けた。
インドは映画大国ということでも有名で世界でもトップを争うほど映画の数を製作する国の1つだ。
映画館での鑑賞の仕方も一風変わっているということでこれは行くしかないと本場ボリウッドを映画館で観てきた。
真っ赤なリクライニング式のシートに座り映画の前に流れる国歌を起立して歌い笑いたい時に笑い感想を言いたい時に言うといった常に感情にまっすぐな所がまた良い。
そして、旅をする目的の1つである、語学は…
それなりに積極的には話すのだが
伝わらない理解出来ない(自分のせい)でまだまだ勉強が足りんなという結論に至った。
が、弱点、すべきこともわかり収穫はあった。
インドにはもう少し日本人がいるものだと思っていたが本当に少ない。
喧騒の街中をすれ違う人々は現地の人9割観光客1割(ほぼ西洋人)で孤独をおぼえる。
その中でデリーからバラナシまでの飛行機でたまたま日本人が隣になり色々話した。
そもそもホーリー祭を知るきっかけはこの日本人から聞いたものだった。少しの時間だったが旅での出会いは大切だ。祭では色粉ではなく牛のう○ちを顔に塗られたというツワモノ達であった。
弾丸のためデリーとバラナシくらいしかまわれなかったが確実に身になる体験が出来た。
今後また、各国をまわり少しでも多く経験したいと思えた旅だった。