娘が誕生日を迎え、十歳になった。
ついに我が家から「つ」の人がいなくなる。
「つ」の人とは、「三つ」「四つ」…「九つ」と年齢を数える人のこと。
「つの付くうちは膝の上」と言う通り、自立に向けて着々と準備が進んでいるようだ。
そんな日々の成長がとても嬉しい。

ところで、学校では二分の一成人式なる行事も催される。
私はこの行事がどうしても好きになれない。
小学校は、子ども達の学びの場であって、
親を喜ばす場ではないと思うからだ。
もちろん、感謝を伝えたり将来への希望を語ったりすることには意味があるとは思う。
でも、あまりに「育ててくれてありがとう」感を出し過ぎる。
これまでの自分の生活を振り返ったり、将来について考えたりする、学習としてはそれで良いのではないだろうか。

色々な家庭環境の子ども達がいるのに、そして家庭の状況は外からは分からないだろうに。
「家族」や「感謝」をテーマにした一見綺麗目な行事、反感を覚えるなんて言ったら冷血人間扱いされかねない。

とっても嬉しいはずの娘十歳の誕生日。
何か釈然としない気持ちになってしまう現実。