モガミ2921ケーブルが届いた.2m x2本(写真1).2921は外径11.3mm,銅線の断面積は2.5平方mm x4で,2972のそれぞれ10.5mm, 2.0平方ミリ x4に比べて8%と25%大きくなっている.

 

太さの違いは一回りだが,バナナプラグやYラグ端子を取り付けるのは2921の方がずっと大変だった.2本を撚ってはんだを被せてプラグの根元に挿入して横からネジで押さえるわけだが,はんだ付けがあまりうまくなくて挿入する部分が不格好になるとプラグに引っかかって奥まで入らなくなったり,ネジがねじ込めなかったりした.ネジが飛び出すためねじ込み部を隠すカバーも取り付けられない.穴の大きさはプラグの種類によって違うようなので,大きめのものを選ぶ必要がある.

 

写真1.上:モガミ2921,下:モガミ2972.型番が4桁の数字なのはパテック・フィリップの腕時計と同じ.

 

2921でこれなので断面積が2972の二倍ある3104だったら,よほどごついプラグを探す必要がある.おとなしく完成品を買った方がいいかも知れない.ただしスタークワッド接続でと特注して.

 

2921と2972の音の違いはよくわからない.音色は同じだし,スペックによると直流抵抗や線間の静電容量なども一割くらいしか変わらない.なので使い勝手を考えこの2921はPCスピーカーに使うことにする.メインシステム用には2972をもう一組買ってバイワイヤリングにして,パイオニアのスタークワッド線を引退させよう.

 

これで第2世代PCスピーカーが完成した.第1世代よりはるかにいい音で長時間聴いていられる.スピーカーはボーカル帯域を最重視してFostexの10cmフルレンジを使った.ヨーロッパ製小型2Wayに比べると周波数レンジは狭いのかもしれないが,低音は10cmとは信じがたいくらい出るし高音の指向性もそれほど強くない.スピーカーユニットのセンタードームはメタルではなく紙だがボイスコイルボビン直結で,メカニカル2ウェイ的な働きをするのかもしれない.低音と高音のつながりは狙い通りスムーズである.ニアフィールドスピーカーとしてオーディオ的な評価に耐えうるものになったと思う.