2021年の年末に購入して2年使った4K液晶テレビREGZA 50Z570Kに下記のYouTube動画を映して画面をカメラで撮影した.このテレビは直下型LED方式で,輝度ムラは以前より気になっていた.

 

 

以下に画面を白(写真1)と赤,緑,青の三色にしたときの写真2~4を示す.輝度ムラがなければ一様な明るさになるはずだが一目でわかるムラがある.視野角の影響を減らすため70mmの中望遠レンズを使っている.どの色も傾向は同じで,中央は明るいが,画面の四辺から少し内側に入ったところが井の字型に暗くなっている.井の字の四つの交点のうち上の二つが最も暗い.

 

写真1.白 (R, G, B) = (255, 255, 255) の画像.露出は+1/3EV補正したがグレーに写っている.

 

写真2.赤 (R, G, B) = (255, 0, 0) の画像.補正なし.

 

写真3.緑 (R, G, B) = (0, 255, 0) の画像.補正なし.

 

写真4.写真1.青 (R, G, B) = (0, 0, 255) の画像.露出は+2/3EV補正したがまだ暗め.

 

輝度ムラの原因がLEDのばらつきならば不規則なムラになるはずであるが,これをみるとばらつきより構造に起因する配光の問題であるように思われる.

 

白画像をRAWで撮影したヒストグラムは図1のようになった.横軸の範囲が0~256であることに注意すると,明るいところ,すなわちヒストグラムの右側の崖は大体 Y=170 くらいである.左側は尾を引いているが先端は Y=90 くらいだろうか.ということで明るいところと暗いところの比は大体1.7~1.8倍といえる.

 

図1.白画像のY輝度のヒストグラム.

 

撮影に使用したのはボディが SONY α7C II,レンズはSIGMA 70mm 1:2.8 DG Macroである.絞りはF4とした.

 

このテレビはもうこれで仕方がないとして,ムラの少ないテレビはあるのだろうか.有機ELテレビは液晶より輝度ムラは気にならないそうだが値段は高い.液晶テレビでは2022年型から上級機種にLEDをより密に配置したminiLED方式が採用されている.miniLEDといっても画素ごとにLEDがあるわけではなく,普通の直下型よりLEDの数が一桁多い程度だそうなので,輝度ムラがないわけではなさそう.改善はあるのかどうか,大型電気店で観ようとするのだが,デモ映像では輝度ムラはよくわからない.