二年前,ミラーレス一眼Sony α7Cのための標準50mmレンズとして選んだのがコシナFoigtländer Nocton 50mm F1.2 Aspherical SEだった.大口径F1.2のわりには軽い(383g)からである.

 

だが試し撮りのときから僕のイメージと色味が違うのではないか?とうすうす思っていた.使い込んでいくにつれて,F8まで絞っても四隅が暗いままで明るさが不均一なのも良くないと思うようになった.またF1.2や1.4で撮るとコントラストが低く画面がもわーっとするのでF2より絞って撮るようになった.それで大口径レンズでなくても良くなり先月Zeiss Loxia 2/50を手に入れた.

 

Loxiaを選ぶにあたり他にFoigtländer APO-Lanthar 50mm F2とSigma 50mm F2 DG DNを比較検討した.APO-Lantharの解像力はLoxiaより高いようだが,Noktonと同じFoigtländerであるから色味が似ている可能性が高いし,Sigmaは直径70mm,長さ70mmあり大きくてα7Cボディに合わないと思いLoxiaを選んだ.

 

今日は50mmレンズ二本で壁を撮影して周辺減光のようすを比較した.以下画像を示すが部屋の照明の具合で壁の明るさが均一でないのが注意点である.画面右側のほうが暗いようだ.JPEG撮って出しで,ボディの周辺光量補正,倍率色収差補正,歪曲収差補正はすべて無効にした.

 

左がNokton 50mm F1.2,右がLoxia 2/50.

F1.2

F1.4

F2

F2.8

F4

F5.6

F8

 

F2のときはNoktonの方がやや良いが,F2.8で逆転し,NoktonはF4以上絞っても四隅が改善せずLoxiaのほうが明るさが均一になっている.色味の違いも分かる.ホワイトバランスはどちらも自動だが,Noktonは色温度が低くて暖色系,Loxiaの方が白っぽい.

 

次はボディによる三つの補正を有効にした場合である.いつも有効で撮るので実用的にはこちらの方が意味がある.

 

左がNokton 50mm F1.2,右がLoxia 2/50.

F1.2

F1.4

F2

F2.8

F4

F5.6

F8

 

Noktonは周辺減光補正ありの方が改善しているもののすっかり取り切れてはおらず,F2以上の全域でLoxiaの方が均一性が高い.