FOSTEXのPM0.5dですが,外付けDACを入れたらどれくらい音がよくなるのかを確かめるため,居間のオーディオセットのDAC内蔵アンプに接続しました(写真).

 

写真.慣らし中のスピーカー.

 

そうしたらマザーボードからのアナログ接続と全然違いがわかりません.改めてオーディオ的に聞いてみると,高音が不足していますし,音の分解が悪く箱が鳴いているような感じです.ボーカルも引っ込んでいます.これは買って失敗したかと思いましたが,そのまま音を出し続けて2時間くらいしたら「あれ,ちょっと良くなったかも?」音が変わってきました.どうやらランニングインが必要ですね.

 

5時間経つと,高音がだんだん出てくるようになって,ボーカルも前に出てきました.音の分解も多少は良くなったみたいです.10時間経ったら,基本的な音色は変わらないものの,これくらい鳴ればよかろうというレベルに達しました.低音はよく出ます.高音はソフトドームっぽい音です(僕はハードドームの方が好き).箱鳴きは多少ありますがこれはやむを得ないでしょう.FOSTEXさん疑って悪かった,なかなかいいじゃないですか.そこでPCへの接続に戻しました.

 

PCのマザーボードはASUS ROG CROSSHAIR VII Heroというゲーミングマザーで,ESSのES9023Pという型番が明記されたDACチップが載っています.Line Outに接続して音を出してみると悪くないようです.DACの比較をしたいのでオンボードのES9023PとShanlingのUA2というドングル型小型DACをiPadに接続してそこから出力した音を比較してみました.UA2のDACチップは同じESSのES9038Q2Mだそうです.

 

ES9023PとES9038Q2Mのデータシートを比べてみますと.ES9023Pは24bit DACでDNR(ダイナミックレンジ?)は112dB,THD+N(歪率?)は0.002% (typ)とあります.ES9038Q2Mは32bit DACでDNR 128dB,THD-Nは -120dB (typ)とあります.なんで表現が違うのかわかりませんが,-120dBは 0.0001% と同じです.ES9038Q2Mの方がだいぶ高性能のようです.

 


https://www.mouser.jp/ProductDetail/ESS-Technology/ES9038Q2M?qs=sPbYRqrBIVmdeUedURuuOw%3D%3D

 

確かに音の違いは判ります.UA2の方がいいです.UA2よりDAC内蔵アンプの方がさらにいいですが.だけどオンボードでもわりと聴けます.ASUSでも安いマザーボードだとDACの型番が明記されていないのでもっと悪いのかもしれません.

 

もし外付けDACを入れるとすれば,iFi AudioのZen DAC Signature V2かTEACのUD-505-Xが候補になると思います.Zen DACはバーブラウンのチップを使っており,UD-505-XはUA2と同じES9038Q2Mをデュアルで使っています.まだ市場在庫がある一つ前の型UD-505は旭化成のVERITA AK4497という別のチップです.オーディオ的にはUD-505以上が欲しいところですが値段も張るので,オンボードでこの音質なら慌てて注文しないで考えた方がいいでしょう.

 

PM0.5dはアンプ内蔵でペア6万円ですが,これ以上の音質をパワーアンプ+パッシブスピーカーで出そうと思ったらどうしても20万円以上かかると思います.例えばTEACのプリメインAX-505にスピーカーはJBL L52を組み合わせるとか.L52かよそこはソナス・ファベールだろとおっしゃるかもしれませんが,ソナス・ファベールはソフトドームツイーターなんで.PM0.5dのコストパフォーマンスは高いと思います.予算に制約があってネットワークオーディオプレーヤーにアナログ接続するなら一つの選択肢になります.