『境界知能』という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
一般に人の平均IQは100と言われており、IQ85~100の人を健常者、IQ70以下の人を知的障碍者、その間のIQ70~85の健常者でも知的障碍者でもない人を境界領域知能、少し省略して境界知能というらしいです。
いわゆる、知能指数のグレーゾーンに属します。
グレーゾーンとは、発達障害の特性は見られるけど、発達障害の診断基準に満たない状態のことを、教育や福祉の世界ではグレーゾーンと呼ぶみたいです。
私の妻が、その境界知能を持っていて発達障害と同じように社会での生きづらさを感じているので、少し紹介したいと思います。
妻はADHDの特性も持っているグレーゾーンの発達障害者です。
自分に合った会社が中々見つからず転々とし、発達障害を理解してくれる会社を探し、今年の1月に再就職しました。
発達障害があることは面接時に話をしていて、理解があるだけに妻の働きやすいようにサポートを受けれてます。
しかし、妻は周りが理解できることを自分はすぐに理解できないことに気づきました。理解するのに、人より何十倍も考えながら業務を失敗しないように集中して仕事しているとのこと。
帰宅したら、毎日クタクタで疲れ切って帰ってきます。
そして、3カ月経って、ようやく少し成果が出てきたみたいです。
倒れそうになるぐらい必死になって働いて少し伸びたのです。
独り立ちするまで、物凄い努力が必要なんだと思います。
ちなみに妻は看護師なんですが、解剖整理学を理解するのに10年かかったそうです
妻は、関係性が繋がらないと言っていました。
また、日常生活においては、地図を見ても自分の場所や方向がわからないみたいです。
私から見て、実際の場所と地図の位置が一致していても、妻の頭の中では中々一致しないと話していました。
おそらく他にも境界知能で悩んでることは、私が聞いていないだけであるかと思います。
じゃあ、どんなことが困難なのか、調べてみました。
・反応が鈍いせいで、臨機応変な態度や行動が取れない。
・物事を理解するのに要する時間が、人より大幅に長い。
・集団の空気を読んだり、話し相手の心中を察するのが難しい。
・話し相手の言葉の裏や、ジョークの裏側の意味を読み取るのが難しい。
・話し相手が言った比喩やたとえ話を、話し相手の意図通りに理解するのが難しい。
・自分が必要と思う時にしか、相手とコミュニケーションを取らないので、周りから取っつきにくい人と思われ、集団内で孤立しやすい。
以上の項目が主に挙げられていました。
個人的ですが、発達障害の困難さと似てる気がしました。
ADHDのとくせいがあるので、いざという時の行動力はあります。
しかし、人の倍以上エネルギーを使うのかもしれません。
知能検査の結果より言語理解力は平均値だったので、空気が読めないとかコミュニケーションが困難なんてことはないようです。
しかし、冗談は通じません。真面目なのもありますが、もしかしたら、その裏の意味を察することが困難なのかもしれません。
私も、冗談が通じない方ですが、私の場合は、アスペルガーで聞いたことをそのまま受け止めるので、単に真面目なだけです。
このように全てが当てはまるとは限らないかもしれません。
妻の場合、スイッチがオフの状態だと、この項目は大体当てはまります。
普段はものすごく脳がフル回転してるんだと思います。
妻は、ADHDの特性のしんどさより、境界知能のしんどさの方が大きいかもしれないと言っていました。
発達障害なら、出来ないものは出来ないので人にもまだ話しやすいし結果がついてこないので周囲にも伝わるのですが、境界知能だと時間はかかるが結果として出来てしまうので、『障害』があるとは認知されにくいようです。
妻は、そのことで悩んでました。
私にできるのは、話を聞くことだけ。
良い会社には就職できたと私は思うので、妻の会社から発達障害や境界知能の認知が広まっていくことを祈ります。
最後まで読んでいただき、有難うございました。