【高校生】2022年4月から、高校教育が変わります | 学研CAIスクールLepton・AIC横浜東戸塚校・横浜戸塚校

2022年度から、高校で新学習指導要領が実施されます。

 

新指導要領は、小中高を通じて「未知の未来を切り拓いていく資質・能力をはぐくむ」ことを目標に掲げており、大学入試改革とも連動しています。

 

(公立中高一貫校受検の適性検査→高校受験の特色検査→大学入学共通テストという流れが見えます。今のところ、中学の適性検査と、高校の特色検査は繋がっていますが、大学の共通テストだけは当初の予定から大幅に修正されましたので浮いている感じです。特色対策に適性対策のテキストを、例えばFSTを導入として使うのはありだと思います。)

 

今年の4月から必修科目の創設や教科・科目の再編がされますので、どう変わるのか前もって知っておかれると良いのではないでしょうか。

 

【国語】

現在の国語は「文学中心」で物語の構造を分析・読解するものです。新指導要領では「論理国語」と「文学国語」という選択科目を設け、論理と文学を明確に切り離しました。「論理国語」は契約を交わしたり、マニュアルを作成したりする際に必要な、論理的な思考をはぐくむものです。

 

同様に、今までは必修科目の「国語総合」(4単位)で現代文と古文を教えてきましたが、今後は「現代の国語」(2単位)と「言語文化」(2単位)に分けられます。この点、さっそく現場で問題が起きていますので、下記にリンクを2つ貼ります。どちらも有料記事ですが、無料で見られるところまでで状況が分かります。

 

 

 

【地理・歴史】

現在の歴史は古代から順に学習していくスタイルです。そのため、近現代史が疎かになる傾向がありました。しかし、今起きている事象を理解するには、近現代史を遡っていく思考が欠かせません。歴史は繰り返します。今自分たちが生きている現在と結び付けてとらえることで、事象の繋がり(流れ)が強く意識されることになるでしょう。

 

新指導要領では「歴史総合」が必修になり、科目の最初から日本と世界の近現代史を学びます。さらに遡って学習したい場合は、選択科目の「日本史探求」や「世界史探求」を受講して深めていきます。

 

また、必修科目になる「地理総合」では、「歴史総合」で学ぶ近現代史に関連した地理の内容を学習します。論理的に2つの科目を結び付け、多面的・多角的に理解していきます。多くの子どもたちが、時事問題を地政学的に考察し討論する時代がやってくるとしたら、頼もしい限りです。

 

【公共】

「現代社会」が廃止となり、「公共」が必修科目として設けられます。これまでの「現代社会」「倫理」「政治経済」を一つにまとめて総合的に学ぶものです。背景としては、今年の4月に成人年齢が引き下げられ、18歳は法律的に大人として扱われることがあります。選挙権に至っては既に18歳に引き下げられています。高校生が政治や社会を自分事としてとらえられるようになることが期待されます。

 

【英語】

双方向なコミュニケーションが重視され、ディベートやスピーチなど、自分の意見を表明し、他者の意見を受け取るような機会が増えていきます。「英語コミュニケーションⅠ」が必修科目となり、4技能5領域を総合的に学びます。また、単に英語が話せるだけでなく、その内容が問われてきます。

 

【総合的な探求の時間】

「総合的な学習の時間」から「総合的な探求の時間」に名称が変わります。教科や科目の垣根を越えて、知識・技能を結び付け、より深い思考・判断・表現につなげていきます。

 

【情報Ⅰ】

プログラミングなどを学ぶ「情報Ⅰ」が必修になります。2025年度の大学入学共通テストから、国立大学を志望する受験生には「情報」のテストが追加され、5教科7科目から6教科8科目に変更する案が出ています。小学校でプログラミングを体験し、中学校で充実させ、高校で実践する流れです。高校では①情報社会の問題解決②コミュニケーションと情報デザイン③コンピュータとプログラミング④情報通信ネットワークとデータの活用を学びます。

 

「地理総合」、「歴史総合」、「公共」、「情報」のサンプル問題として、大学入試センターの該当リンクを下記に置いておきます。

 

以上が主な変更点になります。キーワードは、「論理的思考」と「探求」です。