【小学生】公立中高一貫校(南附中)・横浜国立大学附属中・私立併願校 | 学研CAIスクールLepton・AIC横浜東戸塚校・横浜戸塚校

公立中高一貫校(南附中)の受検

 

近年は受検に関して少し変化が見られます。

 

 

令和3年度横浜市立高等学校附属中学校の 入学者の募集に係る志願者数集計結果

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/kyoiku/2020/0114sigannsyasuu.files/0004_20210120.pdf

 

 

公立中高一貫校といえば

①教育費が安い

②高校受験が無い

③入試は適性検査

という理由から、人気を博してきました。

 

倍率は2021年現在も高く、今なお人気であることには変わりはありませんが、卒業生がいなかった最初期(大学合格実績や授業内容等が未知数)の頃と比べて、受検者層や受検勉強の方法に変化が見られます。

 

①教育費が安い

公立なので学校にかかる費用は少ない(カナダ研修費はかかります※生徒たちがお土産にくれるのは高確率で甘いメイプルのお菓子)ですが、結局は浮いた分の授業料も大学受験予備校の費用に充てられるので、教育費が安いとは思えません。確かに、私立難関校に通っている生徒も、偏差値が高い学校ほど通塾率も高いので、そういった私立と比較して、学費の分だけ教育費が安いと言えばその通りです。

 

南の生徒であれば、某映像塾が特待生にしてくれる(授業料を何科目か無料にしてくれる)ので若干の助けにはなりますが、何だかんだ生徒たちはそれ以外にメインの塾を持っているので、多分に漏れず教育費はかかります。学校の授業だけで難関大学に合格することは難しい(少なくとも在校生の保護者の多くはそう思っている)ようです。

 

ただし、学校の推薦枠に「東京大学」があるので、学校の中でパーフェクト・ヒューマンでいられるのなら、塾無しで東大に行ける可能性があります(でも、その枠を手にした子たちを見ていると、別次元で優秀な気がします)。市立なので横浜市立大学の枠もあります。

 

②高校受験が無い

今はもう昔の話になりますが、中学受験の最大のメリットは「高校受験が無いこと」でした。高校受験が無ければ、大学受験を見越して、先へ先へと学習を進めていくことができます。特に、数学の速習は国立大学合格には必須でした。私立の一貫校は、難関校であれば少なくとも中学生のうちに数学ⅠAは終わらせます。高校に入ると早めに高校数学を修了し、センター試験(現在は共通テスト)や過去問に触れていくことで難関大学に合格できていた背景があります。

 

対して、一般的な公立高校は、高3が終わる頃になってようやく大学受験に必要な範囲を修了し(修了しない学校も多いです)、過去問に触れる時間が殆どありませんでした。その点、南は中高一貫校なので、高校の先取りをガンガンやるのではないかと期待は高まりましたが、実際はそうではありませんでした。それゆえ、各自がそれぞれの方法で先取り学習をしていきます。そこは意識の高い生徒と保護者の集まりなので、自分たちの力で何とかできます。中3時点で英検は2級、数検は準2級に合格しているイメージです。それくらい優秀な集団ではありますが、南の生徒は訳あって英文法が全くできませんので、生徒から何とかしてくれという相談が多いです。

 

さて、令和に入ったこの時代、高校受験が無いことに一体どれほどのメリットがあるのか。正直それほどありません。なぜなら速習する環境が学外で整っているからです。どこの塾でも、もちろんうちの教室でも、1年もあれば数Ⅲまでさらっと学習できます。高校受験が終わってからでも余裕で追いつけます。現代において中学受験をする最大のメリットは、「学習習慣が身に着くこと」です。一貫校に通う生徒の「勉強していない」という言葉と、地元の公立校に通う生徒の「勉強していない」という言葉には乖離があります。

 

その他のメリットとしては、「大学附属」であることや、学校の「環境面」があげられます。大学の附属であれば、そこを(言葉は悪いですが)滑り止めにして外の大学を受験することが可能になります(それを許さない学校もあります)。環境面では、子どもの性格に合った学校選びができます。以前は偏差値の高い学校を志望するご家庭が多かったのですが、「地元の中学の勉強について行けないのではないか」と危惧する保護者様が、手厚いサポートのある学校を選択する事例が増えたと思います。

 

③入試は適性検査

私立の中学受験は、中学3年間の知識を早回しで学習しているようなものです。算数は中学で習う内容を中学受験でしか使用しない特殊な解き方を用いて答えます(ただし、最近の中学受験専門塾では中学で習う解き方を用いたり、確率は高校の解き方で練習したりしています)。そして、国語は大学受験並みの課題文を出す学校もあります。それに比べれば、公立中高一貫校の適性検査は与しやすそうに見えます。小学校で習った範囲以外の知識は必要がないからです。

 

しかしそれは大きな間違いです。適性検査で問われる能力こそ、一朝一夕には身につかないものです。問題演習を積むことで解き慣れはするでしょうが、合否を分けるところまで能力を向上させるには長い長い年月が必要です。週2~3回のペースで塾に通ったからどうにかなるという問題ではありません。公立中高一貫校の受検対策をしている学習塾の多くは、「合格するための能力を養うために授業をしている」というよりはむしろ、「生徒の数を集めることで、合格できそうな資質を持った子を探している」と言った方が正しいです。

 

そこに気付いたご家庭が多いので、「とりあえず受けてみる」といった層は減りました。そして、中学受験専門塾で私立受験にも対応できるだけの学力を身に着けた上で適正検査の練習をする方向にトレンドが傾いてきていると思います。適性検査だけを勉強しても中学入学後の優位性があまり無いからです。「母数を増やして合格しそうな子を見つけようとする塾」と、「一般的な中受並みの学力を身につけて臨む塾」に大きく分かれたわけですが、後者はやっぱりお金がかかります。そして前者はとにかく安い。それはそうです。母数を集めなければ資質を持った子を見つけられませんから。ただし、能力はあまり上がりません。世知辛い世の中です。

 

多くのものが人工知能技術で代替できる世界がやってくると言われています。その世界でうまく生きていくには、適性検査で求められるような能力が必要になります。その能力は、一言でいえば「日常力」です。一言で言い表すことはできますが、二言以上で言い表すことがとても難しい能力です。

 

参考までに、小学生の教材マップを置いておきます。

 

これを用いて、南附中を受検する際に併せて考えておきたい、「横浜国立大学附属中」や「私立併願校」についても書きたかったのですが、長くなり過ぎましたので、また別の機会にしたいと思います。