NEW ALBUM『祭事』のオフィシャルインタビューをオフィシャルブログにて限定公開!!
それでは先ずは(前編)からお楽しみ下さいタコ神様

 常にオリジナルな存在でありながら、一言で説明するのが難しい「餓鬼レンジャーらしさ」。しかし、ニューアルバムとなる「祭事」を聴けば、その「らしさ」の根本が理解できるだろう。フリーキーでラジカルな言葉遣い、バチバチの韻とタフなメッセージ、幅広くカラフルなトラックと、ポチョムキンとYOSHIとGPが描き出すトライアングルに、20周年という「祭」感をぶちこむ事で、その中心から御柱祭の巨木のごとき、極太で長大な「餓鬼レンジャーらしさ」が飛び出してくるニュー・アルバム「祭事」。スリリングかつアッパー、ファニーでタフ、そしてエロティックな、まさに餓鬼レンジャーそのものとしか言えないアルバムなのだ!

◯「WEAPON-G」「KIDS RETURN」と、再始動後はコンスタントなリリースを展開されてきましたが、その中での発見はありましたか?
GP「昨年8年ぶりのオリジナル・アルバム『Kids Return』をリリースして、大阪/福岡/東京とワンマン・ライヴを開いたんですが、意外と待ってくれてる人がいたなって(笑)」
◯「意外」って事は無いと思いますよ(笑)。
GP「僕ら世代の人から、もっと上の人、リアルタイムで観てくれてた30代から20代、それから10代とかの新しい世代もライヴに来てくれて。そういう幅広い年代のお客さんの姿を、生で見れた事が嬉しかったし、まだ攻めたろうって気持ちになりましたね」
ポチョムキン「ライヴでいろいろな場所を回って『まだ人気がある』って思えた反面、『まだ知られてないな』って感じる事もあって、そこに悔しさみたいな部分も感じましたね。だから『もっと知らせたい』って気持ちになってます。もっとカマしてやりたいなっていう、結成当初の気持ちに戻れた感じもあって」
◯改めて、自分たちは何者かを表現するタイミングになったというか。
ポチョムキン「俺たちと似たような事を出来てる人もいないと思うし」
YOSHI「日本語ラップの中での役割分担を考えると、餓鬼レンジャーのお下劣なラップ・スタイルは、餓鬼レンが活動を抑えてる間でも、誰もそのスタイルを取ろうとしなかったという(笑)」
ポチョムキン「取りたくねえよ、って事だったかも知れない(笑)」
GP「誰も狙ってないでしょ(笑)」
YOSHI「ただ、その意味でも、このポジションは自分たちしかいないんだなと。結成して今年20周年を重ねて、俺達しか言えないアイディアだったり、曲に落とし込みたい経験も生まれて、書きたいメッセージや、表現したいヴィジョンが明確になったかなって思いますね」
◯今回のアルバムに参加しているANARCHYや、YOSHIさんが名付け親であるSKY-HI(AAA:日高光啓)のように、餓鬼レンジャーからの影響を公言している人も少なくないし、有形無形で日本語ラップに与えた影響は大きいと思います。しかも、そのスタンスが変わらなかったからこそ、餓鬼レンジャーは餓鬼レンジャーだって感じると思うんですよね。
YOSHI「『餓鬼レンジャー<やっぱり>最高』って言われる事が多くて。『やっぱり』って事は、過去の作品の説得力があった上で、年を重ねてもブレずに餓鬼レンジャーのスタイルが出来てるってことだと思うし、それがリスナーと共有できてるのかなって。その中でも『やっぱり』っていう意見が多かったのがYouTubeで“絶倫PM”を公開した時でしたね」
◯人間「性」の素晴らしさを高らかに表現した名作でしたね。歌詞はほぼ引用できませんが。
YOSHI「俺達しか入れないフィールドの曲ですね」
ポチョムキン「『おらが村』の曲です(笑)」
GP「“Raindrops ”の後に発表したのがあの曲だからね」
◯エモい“Raindrops ”で浮かべた感動の涙も引っ込むという(笑)。
ポチョムキン「その意味でも、餓鬼レンジャーらしさって何かと言われたら、その『芸風の広さ』なのかなって」
◯確かに、新作「祭事」は、スゴく餓鬼レンジャーらしさを感じる作品だと同時に、一言では説明できない幅の広さがありますね。
ポチョムキン「それも含めて『こういう人たち、他にいないよな』っていう」
◯全体的なお祭り感も、餓鬼レンジャーらしい温度の「祭り感」ですよね。
GP「もともと20周年を迎えるにあたって、派手さやお祭騒ぎ、元気で賑やかなアルバムにしたいなって。大人っぽくしんみりしたり、良いことを言うんじゃなくて、40になってもこれぐらいのテンションでイケる事をアピールする方が大事なんじゃないかなって。その意識は一致してましたね」
YOSHI「『KIDS RETURN』が、やっぱり『かしこまった』部分があったと思うんですよね。あの作品は満足しているけど、一方でもっと弾けてて、遊び心があって、おバカな部分も出していいんじゃないか、と」
GP「勿論、熱い曲とか、タフな曲も大事だと思うし、その気持ちは今回もあるんだけど、今回はもっと『テンションの高さ』に比重を置いたほうが、僕らの役割を果たせるかもなと思ったんですよね」
YOSHI「僕らなりの40代の表現というか。こんなクレイジーなおっさん達がいるし、それこそが餓鬼レンジャーかなって」

後編に続く。。。餓鬼

(取材・文 / 高木”JET”晋一郎)