師弟関係の超越 | 知識の増殖曲線

師弟関係の超越

大学で研究をしていると、時々本当に頭のいい人に出会います。
いわゆる、天才というやつです。

それに関連し、
教える立場の人間を観察していると、2通りのタイプに分かれます。

A.頭のいい学生に出会い、自分もわからないような鋭い質問をされたりすると、
  ワクワクしてきて楽しくなり、そこから新たな議論に向かう教師。

B.頭のいい学生に出会い、自分もわからないような鋭い質問をされたいすると、
  分からないことを悟られまいと、質問を突きはねるか、
  はたまた怒り出してしまう教師。

Aこそ、本当に頭のいい教師です。
頭のいい人は、自分より頭のいい人に出会うと、ワクワクするんです。
そこからまた、新たな知識・智恵につながるから。

師弟関係も親子関係も同じです。

初めは、上に立つ人にはある種の「権威」が必要です。
カリスマとも言いましょうか。
そのカリスマ性に魅了され、その世界の面白さ、奥深さを体感し、
弟子(子ども)の側から積極的に知への憧れを抱きます。

そして、ある時を過ぎると、弟子は(子どもは)、師を(親を)超えていきます。
師は(親は)、弟子を(子どもを)自分の理解不能なところへ向かわせるのは怖いのですが、
そこを押さえ込んではいけないのだと思います。

研究でも、ビジネスでも、何でもいいですが、
他にないオリジナリティがあるから存在価値が出てくるのだし、
それを生み出すことの重要さ、おもしろさは、
誰しもが分かってはいるはずなのに、
いざ自分を超える人が出てくると拒絶してしまう。

それでは新しい世界は構築できない。
覚悟を持った上で、教育に臨みたいものです。
そしてそれを楽しむような余裕を持ちたいですね。