ご近所の紫陽花
「悦ちゃん」...獅子文六 1937年
最近読書家としてあちこち紹介され始め
た女優の鈴木保奈美さん。
この方がゴマンと読んだ本の中で筆頭に
挙げたのがこの「悦ちゃん」なのです。
たった枠が6冊になってしまったクマ御
用達、横浜図書館。
おっ、読んでみたい!なんて思っても
何10人も待っていると諦める。
3桁になると論外。
図書館の所蔵数にもよるけど。
ところがこの「悦ちゃん」は何故か予約
可だった。
獅子文六の作品でTVドラマになったの
は見たことがあるものの、本は読んだこ
とがない。
生意気だけど正直で憎めない10歳の女
の子。
共感するところがあって笑えるけれど、
話の展開が芝居じみているともいえない
こともない。
でも面白いからそれも良しとしよう。
父親の碌さん、母に死なれた娘を溺愛し
ていて、実際の獅子文六の娘や家族と重
なっているのではないかと思う。
仮名遣いや表現方が今と違って少し読み
づらいけど、何となく当時の日本の風景
が感じられて面白かった。