以下、大河ドラマ「どうする家康」についてのネタバレ感想が出てきまする。まだ見てない方、ネタバレに嫌悪感を抱く方、歴史に興味がない方はご注意くださいね。

 

 

 

 

旅行記の前に、家康さんの大河感想を書きますね。

やっぱ、面白いっすよー。

数字的には、前よりちょい下がってるみたいだけど……

では、第9回、一向一揆の後編、いってみよー!

 

① 女性キャラがすごく良い

古沢さんの脚本、女性の登場人物がとても自然な気がします。戦国のイクサ話なので、どうしても男性キャラがガツガツ出てくることになります。そこに無理やり女性を絡ませていくと、白ける。

だけど今回の大河は、どの人も魅力的で、面白い。家康の妻の瀬名に母の於大の方、女大鼠や今回のおたま(だっけ?正信の幼馴染)も、架空の人でも「こんな人いただろうな~」っていうキャラクターで好感持てます。そして……

 

② 謎の歩き巫女・千代

「昌久さま、大好きっ」って言ってた千代。一揆勢の中にいて民衆を陽動してましたが、番組ラストで正体が明かされます。なんと、武田信玄が放ったスパイ(甲斐ではスッパ素破と呼んだかも)だったのです!

山の中に浮かぶ幽玄な門と、巫女……

カエサルの頭に浮かんだこの場面は、黒沢明監督の「羅生門」でした。わー、オマージュじゃない、この場面、って。

小心者だけど、その小心さを自分が一番良く分かっている、という人物像でした。信玄は、それは面白い、と言います。

自分を偽って大きく見せたりする人間よりは要注意な人物、ってことでしょう。

一向宗との戦いは、主に織田家でさらに続くので、千代は本願寺との使者なんかにまだ出てきそうです。古川琴音という俳優さんは初めて知りました。

 

 

③ 家康の振る舞い、良くなってきたぞっ!

2回前くらいから、おっ、いいじゃん、って場面が出始めてきましたよ。松潤家康さん。

今回は、「わしはお前たちを信じるっ!来たい者だけついてまいれ」って、良いセリフ言ってましたね。それを聞いて、石川も酒井も誘い文を破り捨てた。そういう殿を待っていた、ってことでして。

そして、一向一揆と手打ちをすることになった場面。

良き!こういう松潤さんを待ってました(笑)

空誓上人との、誓紙を交わすとき、空誓は紙切れなんて信じないから、目を見て「寺を元に戻す」と言ってほしいと家康に語り掛けます。

家康は、しばらく目を伏せたのち、空誓の目をキッとみて、そう言った。しかしその目には、今回の騒動を起こした相手に対する怒りが滲み出ていた。それを見た空誓は気づいたことでしょう。家康に、寺を戻す気持ちなどないことを。微かに震える指で血判した。確かな演技でした!素晴らしい。

 

④ 反旗を翻した家臣を許せるのか

服部半蔵が出てくる場面、ギターの音楽が流れて「シプシーかよっ」って突っ込んでたカエサルです(笑)。こんなに半蔵や正信が最初から出てくるなんて、思ってもみなかったなぁ。二人が出ると、画面価値が上がります。二人は家康の伊賀越えで最重要なキャラになります。

 

いつも名前を間違えられてた夏目広次が、戦後処理で家康と対面します。殿は、不問とする、と沙汰します。それを聞いて広次は、首を振りながら、そんなそんな、って感じで震える。この役者さん、ブルーハーツの甲本ヒロトの弟さんなんですってね。甲本雅裕。

このとき命を助けられた恩義に報いて、広次は三方ヶ原の戦いで、家康の身代わりとなって武田に突撃死します。

 

もう一方の、本多正信。

いや、素敵なキャラだなぁ。耳に痛いことをズバズバと家康に言う。もう死を覚悟してますからね。反省しないといけないのは殿のほうだ、と。

家康も正直に、心情を吐露する。それでも、すべてを受け止めて三河をまとめるために前へ進む、と。正信は命は助けられ、三河追放処分という寛大なものになった。

最後に、寺を壊す大義名分の知恵を与えて去る正信も、いい味ですね。

 

ということで、ますます面白くなってきてる大河ドラマ「どうする家康」。

主演の松潤さんも良くなってきたので安心しました!

というか、いままでの家康像が難しかったですもんね。最初は、おもちゃを持ってピョンピョンとか走り回ってましたから(笑)。

こんなコロナと戦争の混迷時代ですし、筋や考えがビシッと1本通った、迷いない主人公のほうが時代には受ける。演技もしやすい。どうしたらええんじゃ~、って半べそかいてる主人公のほうがよっぽど難しい。

しかし、こんな時代だからこそ、迷ってためらって周りにあれこれ言われてっていう大変な主人公を大河にする意味があるのかもしれません。松潤さん、がんばっ。