↑ 無くした鍵 (実物)
帰宅して、バイクを停めました。
エンジンを切ろうと、バイクの鍵に手をやったとき……
そこに鍵がないことに気づきました!
カエサル、大ピンチ。
ご存知ないかもですけど、バイクの鍵は、自家用車の鍵とは違います。
最近の車の鍵は電波で開閉しますが、それより違うことは、鍵が車内に存在する、ということです。
バイクの鍵は、バイクの鍵穴に差さってますけど、基本的に宙ぶらりんのアウトドアです。もし、鍵穴から抜けてしまえば、道路に落ちてしまうわけです。
「鍵がちょっとスカスカだなぁ」
と思ってたんです、数か月。
だいぶ前に作った合鍵があったはずですが、うまく鍵穴と合わなかった。また別の店で合鍵くらいは作っておかないとな、と思いつつ、放っておいたのです。
カエサルの悪いところ、面倒くさがり。
夏至過ぎのとある日の午後6時、家の駐車場に、鍵がないバイクが1台と、呆然と佇む男が1匹(笑)
どうします? みなさんなら。
合鍵、スペアキーもないのです。
まず、どうやってエンジンを止めますか?
普通は、鍵穴にささった鍵を左に回してエンジンを切るのです。
その鍵がささってなければ、左に回せません。
そう、正解!
バイクには、アクセルが戻らないときや、転倒してしまったとき等にエンジンを緊急停止できるボタン、キルスイッチがあります。
それをオフにすれば、エンジンを止めることができます……が。
はい、不正解!
エンジンを止めてしまっては、もうエンジンを掛ける手段がありません。
映画で車を盗むときみたいに、線と線をショートバチバチさせてエンジンかける? カエサル車は、キックスタータも付いてません。
エンジンをかけたまま、鍵を探しにいくしかないのです。
ガソリンがなくなるまでは、エンジンを動かしていられる。
車でエンジンをかけたまま鍵を無くしてしまったことを想像してみてください。
それは、ぜ、絶望の世界……
(村上春樹のエッセイで、砂浜で車の鍵を拾った話があったなぁ)
いや、希望はあります。
ズボンのポケットに入れていたバイクの鍵を落とした、のではありません。今回の場合は、スーパーで買い物してから帰宅しています。スーパーでは間違いなく鍵があって、その鍵でバイクを始動させて、帰ってきたわけです。
100%、スーパーから自宅までの間で落としています。
それが唯一の希望!
道のりとしては、5分、1km程度のはず。
やるしかないぜ!
しかも速攻で!
いま走ってきた道のちを逆に辿っていくことにしました。
バイクに乗って、ゆっくり、道を凝視しながら遡っていきます。
近くに踏み切りがあるので、ガタガタとかなりの振動を伴って渡ります。そこが一番怪しいと直感しました。線路内に入って、もちろん電車や車がいないときですが、けっこう念入りに探したけど、見つからず。
さらに、逆ルートでスーパーを目指します。
たまたま、田んぼ道の、裏ルートを通ってきてたので、車通り・人通りは少ない。いま探せば、まだ見つけられるはずだ。
親切な人が拾ってるほうが、見つけられなくなって悪いパターンだな、と日暮れが迫ってきた空を恨めしく見つめて思いました。
犬の散歩をしてる人や、30代くらいのリュックを背負った男性などがいます。30代のリュック男性は、さっきの帰り道、すれ違った人だな、と気づきました。思い切って声をかけて、「鍵が落ちてませんでしたか?」と聞こうかと考えましたが……まだちょっと早いと判断。
しかし、見つからない。
線路で見つからなかったとき、嫌な予感がしたんです。もしかしたら、ところどころにある金網付の側溝に落ちてしまったのかもしれません。そこを探すとなると、とても面倒なことになる。
やれやれ。
ついに、スーパーまで来てしまいました。
見つからなかった。
どこへいったんだ??
途中で落としたことは間違いない、誰かが親切にも拾ってくれたのかな? それとも、鳥が持っていってしまったのか……
さっきのリュック男性に聞いてみよう、と決心して、スーパーを再出発した、まさにその目の前の道路に、鍵が落ちてました!
やった!
その場にバイクと停めて、急いで降りました。
横から出てこようとしていた車に手で合図して、ちょっと待っててな、というジェスチャーをしておいて、鍵を拾い上げ、バイクを脇へ寄せました。
間違いない、カエサルのバイクの鍵だ。
良かった、マジで良かったぁ(嬉涙)
まぁ、お気づきのように、鍵の写真をトップに出してるんで、ミステリの結末は「鍵は見つかった」という答えだ、ということは、最初から読者の前に提示されています(笑)
鍵の写真を普段からスマホに保存している人は、そんなにいないでしょうからね。
というわけで、明日の仕事もバイク通勤ができそうでございます。
週末までに、合鍵を作って、いまの鍵を落としても大丈夫な仕組みも構築しておきたいと思います。