人前で話すのが、大の苦手です。
ちょっとした転任の挨拶、自己紹介、なんてのも全くできません。
頭が真っ白になりますし、口下手な口がさらに動いてくれません。
ですから、なるべく出世しないよう生きてきました。上役になって、みんなの前でいろいろ話さないといけない立場になることを、わざと避けてきました(本当?笑)

なぜ、人前で上手く話せないのか。
あがってしまうのか、理由を3つ考えました。

① 電話に出るのが嫌いだった
カエサル家は昔、小さな民宿を営んでました。携帯などない大昔のこと、民宿にはピンクの電話が据えられてたのです。10円玉を入れて電話するやつです。若い人は意味わからないだろうなぁ。その電話は関係ないんですが(関係ないんかい)、家にお客さんから予約の電話がかかってきたり、お客さんへ繋いでほしい、という電話がかかってきてました。祖母や母がいればいいんですが、誰もいないと子供のカエサルが電話にでないといけません。それが上手く受け答えできなくて、なんだか人と話すのが苦手になりました。

② 中学一年生のトラウマ
中学のとき、室長のような役をしてました。あるとき、何かの行事で、先輩方大勢のいる前で、挨拶というか「頑張ってください」みたいな、壮行会!?的なセリフを言わなければいけなくなったのです。当然緊張して、考えていたセリフの15%くらいしか言えませんでした。100分の15ですよ?大失敗ですよね。先生は、良かった、と慰めてくれたんですが、「嘘や、全くできへんかった、オレはダメなやつや」とカエサルは考えました。いまでも忘れられないトラウマです。

③ 結局、話すのが得意ではないのだ
世の中には、次から次へと言葉が出てくるすごい方が存在します。尊敬しますね。噺家さんとか。お笑い芸人とか。つまらずに、スラスラ語れる。カエサルは結局、そういうタイプではないのです。1対1だろうが、面接みたいな2対1だろうが、電話だろうが仲人の挨拶だろうが、好きじゃないし無理なのです。もう断然、仕方ないのです。

作家の村上春樹氏が、エッセイか何かで語っていたことが耳に残っています。英語がなかなか上達しないことを嘆いていた村上サン。「なぜだろうと考えたが、日本語を話すことすら苦手なのだから、英語が話せなくて当然なんだ」みたいなこと言ってました。読んだ当時、すごく納得しましたね、カエサルは。

それでも、年ととってくると、どうしても人前で話さないといけないことがでてきます。年のせいでもないな。生きていると、なかなか、全くゼロにはできないんだよなぁ(主に仕事に関してですけど)

どうしたらいいんだろう、と解決策を模索しました。
そして、自分の中に、人に良いように見られたい、という気持ちが強くあることに気づきました。要するに、カッコつけなんですね(笑)別に失敗したって、恥かいたって、いいんだよ、となるべく自分を納得させるようにしました。
いままでの人生で無数の偉いさんの挨拶を聞いてきたけど、はっきり言って、ひとつも覚えていないじゃないか(笑)人は、他人の形式ばった挨拶なんて、何1つ覚えていない。転任の言葉なんて、聞き流している。カッコつけるな。カッコつけよう、自分の能力を見せようとするから、失敗の恐怖を生み、あがってしまう。笑いを取ろう、ともしなくていい。それも、笑いのわかる人間だと証明しようとする小さな心のあらわれだ。逆に、無心になろうともするな、お前は仏さんじゃないんだ、偉人ぶるな。

そう言い聞かせるんですが、なかなか…。
やはり、良いように見せたいという心理が邪魔をします。捨てきれない。バレてるんですけどね、人には。

こうやって、文章に書くとスラスラ出てくるんだから、やはり口よりこっちのほうが向いてるんだろうなぁ、と思います。