Optimal tentative abdominal closure for openabdomen: a multicenter retrospective observational study (OPTITAC study)
Int J Surg. 2023 Dec 1;109(12):4049-4056.
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 Open Abdomen(OA)におけるTemporary Abdominal Closure(TAC)/Negative Wound Pressure Therapy(NPWT)に関する本邦の多施設後方視的観察研究。2010年から2022年にかけて、12施設から279例を収集して解析された。対象は、48時間以上OAを行った成人患者。
 100mmHg以上の高い陰圧で管理されている患者は、50mmHg未満で管理されている患者より閉腹時の筋膜閉鎖率が悪く、腸瘻の発生率が高かった。NPWTをどの方法で行っても閉腹時の筋膜閉鎖率には変わりなかったが、専用のキット(ABTHERAなど)を用いていると腸瘻の発生率が低かった。
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 本邦で慶應大の山元先生が行われた研究。
 今ではABTHERAやRENASYSを用いてOAMを行うことが専らであり、自分でBaker法を行うことはあまりなくなったが、それでもお盆年末やGWなどの連休中に下部消化管穿孔症例や外傷性腹腔内出血症例などが立て続けに起こるとABTHERAなどがrun outしてしまい、Baker法などを行うことは稀にある。
 陰圧かけ過ぎが良くないのは感覚的に分かっているが、それがきちんと証明された研究と言える。必要最低限の陰圧でいいのだろうが、貼る時に丁寧に貼らないと、リークが起きてしまい、不必要に陰圧をかけないといけないシチュエーションが発生してしまうのをよく見かける。