Physician presence in an ambulance car is associated with increased survival in out-of-hospital cardiac arrest: a prospective cohort analysis
PLoS One. 2014 Jan 8;9(1):e84424.

*************************************************************************************

 日本のデータベースを使った前向き非ランダム化観察研究。OHCAに対する病院前での医師の同席(≒Dr. Car, Dr. Heli)が及ぼす影響を調べたもの。ROSC率や1ヶ月生存、1ヶ月での神経学的予後などがoutcomeとなった。

 2005年から2010年までのOHCA 619,928例を対象に傾向スコアマッチされた。医師の同席は病院前でのROSC、1ヶ月生存、神経学的/身体的障害との間にそれぞれ正の相関が見られた。

-------------------------------------------------------------------------------------

 2004年から救命士によるCPA患者に対する挿管が認可され、2006年から救命士によるCPA患者に対するアドレナリン投与が認可されている。2005年から2010年はちょうどその制度が全国に浸透しつつある時期と考えられる。

 CPAの予後に及ぼす因子としては、発見からbystander CPRまでの時間、アドレナリン投与、挿管(negative factorかもしれないが)、VFに対する除細動、難治性VFに対するECPR、年齢、CPAの原因などといったところだろうか。このうち、アドレナリンも挿管も、今回の研究対象時期においては救命士は可能な手技であり、(成功率はさておき)医師と救命士の間に違いがあるとはあまり考えにくい。医師の同乗が救命士制度を凌ぐものであるとすれば、救命士よりもより詳細な病態把握が現場からでき、院内への治療にシームレスに繋げられるといったところがあるのだろうか。