星を表す語には「star」という語がある。語源は印欧祖語の「ster-」である。語根の意味は不明だが、宵の明星を表すと言われている。
昔、人の運命は生まれた時の星の位置や角度によって決められると考えられていた。
astronomy(天文学)は、星が潮の干満、気候、自然現象などにどのような影響を与えるかを研究する学問である。この単語は12世紀にフランス語から英語に入った。後にフランス語からはastrology(占星術)という言葉が取りいれられた。また、同じ意味でギリシャ語源のastro-+nomos(法)=astronomy(天文学)がある。
14世紀には上の二つの言葉は区別なく使われたが、人の運命に影響するという考えは流行らなくなり、17世紀には、前者が科学的な天文学を指す語として定着した。近世以前には大きな影響力をもっていたのだ。
他にも「星」を語源にもつ語には、astronaut(宇宙飛行士)、asterisk(星印、アステリスク)、disaster(悪い+星=災難、天災)などがある。
19世紀には芝居の「花形役者」の意味で使われ、20世紀には映画の人気俳優(movie star)として変化していった。星にはキラキラ輝き、手が届かないという存在から生まれたのかもしれない。