月にあたる語は印欧祖語の「mens-」(測る)である。つまり原義は、「測るもの」である。
何を測るかというと、古代の人は月の位置や形で、次の新月、満月までどれくらいかという時を計っていた。
そこから派生した語が「month」(月)→暦を表す
もともと新月から次の月までの時間のサイクルを表す単語だったのである。
また、古代は月の満ち欠けが人に影響を与えられるとも考えられていた。そこからできた「luna」、「moonstruck」という単語もある。どちらも「気が狂った、気がふれた」などの意味があり、原義は文字通り「月に影響された」である。
月はそういう存在だったこともあり、我々とは違って欧米人には月見をするという習慣はない。
今日でも女性の月経が約1カ月サイクルでやってくるのも象徴的だ。
古代人の方が現代人よりも自然をより身近に感じていたのかもしれない。
そして、「測る」という語源的意味でつながる語は「meal(食事)」、「measure(寸法、大きさ)」がある。
「meal」は、原義が「決まった時間」で、そこから「決まった時間の食事」→「食事」と定着していった。
「measure」は、ラテン語源の「mensura」(測ること、物差し)に由来する。ここからいろんな語が派生し、immense(無限の)、semester(学期)、menstruum(溶剤)、meter(物差し、メートル)という語が生まれた。
どことなくつづりが似ている語ばかりなのがわかるかな?