J3第十五節 vsFC今治 0-5 ●

 

年に一度あるホームでの大敗で昇格圏とは勝ち点7差になり、負けなしも7で止まりました。

守備だけでなく攻撃にも課題が露呈された試合でした。

 

前節から採用している4バックをこの試合でも使い、大西→三國、柏木→ホンタク、左のハーフにンドカ、トップに藤岡を起用しました。

前半早々岐阜が相手陣内で攻め込む時間が続きました。

今治のロングボールをしっかりつないで、サイド攻撃が有効でした。

しかし何度もCKの機会がありましたが、決定的なチャンスはありませんでした。

すると一つのミスが試合の流れを大きく変えました。

ビルドアップで三國のパスを橋本がトラップミス。

これをインディオにかっさらわれて、ドリブルで持ち込まれミドルシュート。

松本拓の横を抜けて簡単に今治に先制点を奪われてしまいました。

橋本のミスですが、インディオに対して寄せが甘すぎるのも問題です。

立て直したいところでしたが、3分後にCKから2失点目。

三國のマークでしたが、密集をうまく使って完全にはがされてしまいました。

というよりその前に1対1を作られた段階で集中力が完全に切れていたように見えます。

そのシーンもフレイレ、宇賀神共に相手を見ることができていませんでした。

その後の守備は今治が単調な攻めだったので、カウンターのみに対処すればよく、そこまで心配はありませんでした。

一方で攻撃は全くと言っていいほど停滞していました。

ビルドアップで庄司が降りてきますが、そこから縦に出す味方はおらず、結局CBの二人に返してロングボールというシーンが多かったです。

もともと4-4-2というフォーメーションの性質上中盤の二人のどちらかは前目でボールを動かせる選手が望ましいですが、柏木が負傷となっている中、守備的なホンタクがそこに入っていました。

ホンタクのもらう動きが少なかったのも問題ですが、空いているはずの両サイドバックがなかなかもらいに来れなかったのも攻撃の停滞の一つです。

サイドバックがもらって、相手を引き付けたうえで縦や横、間でもらうなど距離感をもう少し考えてプレーする必要があったでしょう。

TJや藤岡がかなり下の位置までもらいに来ることも悪くないですが、そこから前を向いた展開になりませんでした。

結局は右の窪田を走らせてからのクロスのみの単調な攻撃でした。

またCKも前半だけで10本近くありましたが、ほとんど味方に触れることなくクリアされていたのも気になります。

大木さん時代は身長がない中で、工夫を凝らしていたのが印象ですが、高さがある今だからこそもっとバリエーションや選択肢を増やしてやってほしいものです。

 

後半も今治の思い通りの試合を展開されました。

岐阜は前半同様攻撃にスイッチが入らず、最終ラインで回すことが多かったです。

前線へはロングボールの割合が多くなり、セカンドボールを拾われてカウンターを受けました。

そのカウンターから何度もシュートを打たれ、一度は微妙なオフサイドに助けられましたが、56分にCKから3失点目。

今度はインディオについていた橋本が振り切られ簡単にヘディングさせてしまい、松本拓がシュートをはじいてしまい、押し込まれました。

元より松本拓もハンドリングの悪さがあったのですが、ここでも悪癖が出てしまいました。

さらに集中が切れたように1分後にカウンターから失点。

前半から何度も見てきた形がようやくゴールという結果になっただけで、何が悪いとかの次元じゃありません。

強いて言うなら今治の推進力とここぞの集中力は素晴らしいものがあります。

その後3人同時投入でシステムも3バックに戻しましたが、三度カウンターから失点。

正直すべての対応が甘いですし、軽すぎます。

運動量も今治の方が豊富ですし、岐阜は全体的に重い動きでした。

総括として戦術もですが、メンバー編成が良くないように思います。

フレイレと三國のCBでは高さはありますが、スピードと足元がありません。

守備の対応もですが、ビルドアップが全くと言っていいほどできていませんでした。

加えてホンタクと庄司のプレーエリアは逆でしょう。

ホンタクは守備的な選手なので、いくら庄司をビルドアップの要としていても狭いプレーエリアに入れて柏木と同じ動きをさせるべきではありません。

事実攻撃でも守備でもホンタクの存在は消えていましたし、真ん中を使ったビルドアップはありませんでした。

ンドカも藤岡も真ん中で使うべきですし、サイドでは活きません。

というか3バックの方が今の岐阜には合ってるでしょう。

そして最後に守備も攻撃も連動性がないです。

運動量云々もありますが、岐阜は個々の動きが目立っており、今治のようにプレスのスイッチを入れることや、攻撃で2つ3つパスを回すことがほぼないです。

それが守備面ではカウンターを食らうこと、攻撃面では遅攻という結果に現れています。

 

 

これで負けなしがストップし、昇格圏とは勝ち点差7に広がりました。

順位も6位に後退し、上位の背中は再び霞んでいます。

もちろん7試合負けなしだったのは、守備のうまさや攻撃のかみ合いがあったからです。

しかしこの試合では両方の隠れいていた課題が丸々出てしまいました。

もちろんこれまでも負けることは許されませんでしたが、もう後がないのは確かです。

上位3チーム(鹿児島、いわき、松本)のペースがなかなか落ちないからです。

もちろん失速する可能性はありますが、昇格するには自力が当然ながら必要です。

繋がっている首の皮は今にも切れそうですが、消えそうな光明を追い続けるほかありません。

 

松本拓 5.0 自身のミスもあり5失点

橋本 5.0 一つのミスで試合の流れを悪い方に変えてしまった

→村田 5.5 突破からクロスでチャンスを作ったが、ゴールに結びつかず

三國 5.0 カウンターに対処できなかった

フレイレ 5.0 カウンターに苦労して止められなかった

宇賀神 5.0 守備面でカウンターを止められなかった

庄司 5.5 ゲームをコントロールできず、攻撃の核となれなかった

ホンタク 5.0 明らかに消えており、守備面での貢献もほぼなかった

→石津 5.5 突破を図れなかった

窪田 5.5 得意の縦への突破を封じられてチャンスを作れなかった

→ヘニキ 5.5 運動量豊富に戦ったが、決定機につなげれず

ンドカ 5.5 前線でボールに触れる機会があまりなく、攻撃の形を作れなかった

→富樫 5.5 チャンスを作れなかった

TJ 5.5 前で展開しようとするも、うまくいかずシュートも不発だった

→畑 5.5 何度もクロスでチャンスを作るも、結果に結びつかず

藤岡 5.5 ボールに触れる機会が少なく、決定機まで持っていけなかった