J1第十八節 vs鹿島アントラーズ 1-1 △
リーグ後半戦の初戦で、上位を争う鹿島に対して大きなドローを奪いました。
特に後半は逆転してもおかしくないような気迫を見せることができました。
名古屋の布陣はランゲラックが1か月ぶりに戻ってきて、トップに柿谷が入りベストな布陣となりました。
前半から名古屋の攻撃陣はサイドチェンジを有効に使って、チャンスを作りました。
特に右サイドの森下は果敢な攻め上がりを披露して、カットインからのシュートもありました。
守備は鹿島の前線3人にパスを入れさせないことができていました。
特に上田までボールはほとんど回らず、シュートもありませんでした。
前節浦和戦で見られたプレス連動のずれも見られず、効果的に攻撃的な守備を展開しました。
しかし、VARでノーゴールとなったワンプレーから流れが変わり、30分過ぎに先制点を奪われました。
VARのシーンは鹿島のゴールキックから競り合いの末うまくつながれ、上田のシュートまで持っていかれました。
最初の競り合いのカイキやその後の仲間、決めた上田と鹿島のそれぞれの選手のレベルの高さが出たシーンでしょう。
これはハンドでノーゴールとなりましたが、そこからは鹿島の怒涛の攻めでした。
名古屋としては引いてしまい、攻撃時の人数をかけられませんでした。
失点シーンは柿谷にロングボールが当たってしまう不運もありましたが、上田のヘディングでの落としからうまいタイミングで抜け出した仲間に決められてしまいました。
ロングボール対応で下がった中谷の対応が、結果的にはラインを下げてしまう格好になりました。
ランゲラックの飛び出すタイミングも少し遅れてしまった印象です。
正直誰が悪いとかではなく、運がなかったのと仲間がうまく集中していたという結果でしょう。
その後は鹿島の攻撃をしっかりおさえることができました。
プレスが効き、ロングボールを蹴らせることで着実なつなぎは少なくできました。
攻撃は縦へのパスが繋がり始めたこともあって、シュートシーンやセットプレーの獲得などチャンスは作りましたが、ゴールには結びつかず、前半は1点ビハインドで終えました。
後半開始早々に名古屋は追いつくことができました。
結果的にはPKをマテウスが決めたという形でしたが、人数をかけた攻めが展開できました。
起点となったのはレオシルバでした。
右サイド森下への正確なサイドチェンジから、中央で再び受け、右にワンドリブル入れてからの縦パス。
フリーの柿谷に通って、そのクロスがハンドを誘発しました。
この試合レオシルバがうまく横でもらいに行くシーンが多く、ゲームメーカとなっていたのは間違いありません。
そこからは名古屋が何度も押し込みました。
マテウスが下がってもらいに来ていることにより、縦関係がスムーズになり、カウンターや中盤での展開に厚みが出ました。
加えて稲垣の攻撃参加は非常に脅威になったでしょう。
PA内まで上がってきて、ヘディングシュートと柿谷のボレーのおぜん立てをしました。
両方ともゴールとはなりませんでしたが、明らかに鹿島ディフェンスも2列目からの稲垣を見ることができていませんでした。
鹿島の攻撃に対しては、中盤でしっかりと潰し流れの中からのピンチはありませんでした。
セットプレーで2本ポストに救われましたが、危なげなかったといっていいでしょう。
最終盤に入ってからは、サイド攻撃を中心に崩し切ってのシュートシーンもありました。
2シャドウとウィングバックの関係性や、ボランチ二人の距離感などレベルの高い名古屋の選手だからこそみられる、見ていて面白い攻撃がたくさんありました。
しかし最後までゴールを割ることはできず、1-1の引き分けで終わりました。
前節の浦和戦で完敗をしましたが、攻撃面守備面の両方において完ぺきな修正ができていました。
それに加え勝ちたいという気持ちが、前面に出ていた試合に思えました。
中谷が何度も審判に抗議しているシーンが象徴しています。
試合内容としては、後半は完全に名古屋ペースでした。
あそこまでボールを支配して、攻め込みシュートまで持っていける試合は過去になかったでしょう。
首位争いの鹿島にここまで良いサッカーができたことは自信になりますし、今後の攻撃にも期待できそうです。
一方で交代選手が2枚ということからも、スタメンと同等のクオリティの選手が少ないこと、つまり選手層が厚くないことが少し気がかりです。
解説の水沼さんも言っていましたが、試合を途中で決めたり流れを変えたりする選手が求められるのが現状です。
そろそろ移籍市場も開くので、そのあたりを期待したいです。
ランゲラック 6.0 ノーチャンスの失点シーン以外は安定していた
藤井 6.0 高さで安定した守備を見せた
中谷 6.0 攻撃参加や気合溢れるプレーを見せた
丸山 6.0 守備に安定感があり、相手を自由にさせなかった
森下 6.5 キレのある動きで、サイド攻撃を活性化した
仙頭 6.0 前半こそ目立たなかったが、後半はうまくボールを展開した
→阿部 5.5 思い通りのプレーができないシーンが多かった
レオシルバ 6.5 中盤のかじ取りをして、攻撃でもチャンスを生み出した
稲垣 6.0 中盤での刈り取りだけでなく、攻撃参加でチャンスを作った
相馬 6.0 カットインで相手の逆を突き、チャンスを作った
柿谷 6.0 随所でらしさを見せ、同点のPKを誘発
→内田 6.0 途中出場ながら、降りてきてもらったりサイド攻撃に加わったりとユーティリティ性を見せた
マテウス 6.0 チームトップの4点目を挙げた