「オッペンハイマー」を見ました。

 

最近のノーラン映画は、長くて訳わからなくて辛いなぁ、と思ったら。

コレは3時間あるけど、映画として面白くて、たまげた。

 

ほとんど会話劇ですが、神話の英雄譚(しかも破滅型)が好きなノーランらしく。

原爆を開発したオッペンハイマーを、人類に火をもたらしたギリシャ神話のプロメテウスになぞらえ。

 

どこか浮世離れした、不思議ちゃんのオッペンハイマーが、軍と政治家と、なによりも自分が生み出した核兵器に翻弄され、「神」から「苦悩する一人の人間」になっていく様を描いています。

 

不思議ちゃんの科学者と、すぐ「殺すぞ」と言う、ゴールデンカムイに出て来そうな軍部が、駆け引きしまくった末に原爆を作ったら、全部、政治家の掌の上でした、みたいな映画。

 

原爆の完成前からグン!とテンションのギアが上がり。

実験成功、実戦投入、終戦、終わり!と思ったら。

 

そこから、また一時間、法廷劇みたいなのが始まったのに、たまげました。

「ダークナイト」で、ヒロインが死んで映画が終わったと思ったら、トゥーフェイスが出て来て映画が続いた様なもんだ。

 

実は、映画のキモは、この後半。

ああ、こういう反戦の描き方もあるのかと思いました。

 

終盤に、ダダダダダっと、今までの全ての事象が集結して行く。

 

ノーランだから、例によって時系列を入れ替えたりして、さらに登場人物の説明なんかしないので、予習動画や予習サイトを見るのが推奨されてるけど。

 

俺みたいに予習しないで見に行って「な、何事!?」と思って。

終盤「あーっ、そういう事だったのかー!」と、ビックリするのもアリよ。