脂肪の蓄積を体内で調整することに関わっている遺伝子をマウスの実験で発見したと、大阪大の審良
あきら静男教授(免疫学)らの研究グループが21日、英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

この遺伝子が働かないマウスは、人間で言う「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の症状を示した。メタボを改善する薬剤の開発などに生かせる可能性があるとしている。

グループは、肝臓や脾臓ひぞうなどで働く免疫細胞の中に、「Trib1」という遺伝子からの指令で作られるものがあることを突き止めた。この細胞は、免疫だけでなく、脂肪の蓄積をコントロールする役割を果たすことも確認した。

Trib1が働かないようにしたマウスは、高脂肪の食事を与えると糖尿病を発症し、血液中のコレステロールや中性脂肪の濃度も、正常なマウスに比べて高くなった。