アジアゾウの亜種で、絶滅の危機が極めて高いとされるスマトラゾウを保護するため、野生のゾウを「養子」に取る制度が22日、オーストラリアのシドニーで始まった。

同プロジェクトの活動家によると、アフリカゾウは密猟増加によって絶滅の危機が高まっているが、アジアゾウは生息地の消失によって危険にさらされている。

山林伐採が進むスマトラ島では、作物を守るために村人らがゾウを毒殺するケースが見られ、生息数は1200─1600頭まで減少しているという。

「養子」になるのはそれぞれ別の群れに属する5頭のゾウ。GPSを取り付けて行動をモニターし、人里に近付かないように対応する。

この制度への参加費は65豪ドル(約6150円)で、参加者にはGPSを通じて得られるゾウの情報が定期的に送られるという。