#2

 

 

引き続き親戚のお兄さんと私に起きた最大の悲劇である

「クロノトリガー」事件を告白する前に

一体、「クロノトリガー」って何?と思う方のために説明します。

 

「クロノトリガー」とは、1995年発売されたスーパーファミコンのゲームで

ドラゴンボール作者の鳥山明さんがデザインを担当し、

ドラクエの堀井雄二さんと、ファイナルファンタジーの坂口博信さんが

製作した夢のようなゲームでございます。

 

それを僕は仏様のようだったあのお兄さんの家で見てしまったのです!

 

今の世代が見ると粗悪なグラフィックだと思うかもしれませんが

当時の少年たちの目には超人気漫画のドラゴンボールを

そのまま移したかのような美しいグラフィックであったのです。

 

しかも、それまでのrpgゲームで見ていた

2頭身くらいのキャラクターではなく、なんと3.5頭身くらいの!

(同じじゃん!と思うかもしれませんが、当時には衝撃的な差であります!

同感する勇者たちよ、立ち上がれ!)

 

とにかくそれに一目惚れした僕は、

おばさん(親戚のお兄さんのお母さん)と

おしゃべりしていたお母さんにダダダーと走って行ったのです。

 

そして、直ちに「クロノトリガー」を買ってくれ!と

駄々をこね始めました。

(こんな時、どれほど大変なのか

子育てのママさんなら解るかもしれません。)

 

当たり前に僕のお母さんも困ったはず。

その後、お母さんは僕にダメだと教えたり、言い聞かせたりしたけれど

子供の僕はどうしてもあの3.5頭身の

ドラゴンボールみたいなゲームが欲しかったし、諦めなかったです。

 

結局、僕が怒って

「こないだのソフトも買ってくれなかったじゃん!

友達の中で僕だけが持ってなくて、仲間外れにされるんだよ!」と

ぐずぐずし出すと、それを見たおばさんが親戚のお兄さんの部屋に行ったのです。

はい、悲劇の始まり。皆さんの予想通り…

皆さんにも、大人になった今では到底理解できない間違いがありますか。

 

僕は、今は時々あの事件を思い出すと

未熟さが呼んだ悲しみや暖かい温情、愛、感謝など

少し複雑な気分に包まれます。

 

僕としては

真っ青で透明な水の中にキラキラするガラスの欠片を見ているようで

胸の中が冷えるほど悲しくて美しい記憶です。

 

で、話が長くなったので

この事件の結末やその後のエピソードは

次の話から続きます。

 

今日も読んでくださって、ありがとうございます。