「引き寄せの法則」を「思ったことが実現する」「欲しいものが手に入る」と解釈してポジティブなことを考えるとポジティブなことが起こると信じている人がいます。

誰でも人生を思い通りに生きたいと思っています。プラス思考でいけば何事もプラスに働いて、バラ色の明るい未来が実現すると信じたいところです。

 

ところが三次元の世界はいつも二つの極の間を揺れ動いています。失敗した人は成功し、成功した人は失敗します。悲しみは喜びに変わり、喜びは容易に悲しみに変わります。「陽極まれば陰となし陰極まれば陽となす」が自然の法則です。

新しく手に入れたものは再び失います。永遠のものではないからです。永遠のものは最初から持っています。

 

 

現実はいくらプラス思考しても必ず望んではいないマイナスの出来事が起きてきます。マイナスの出来事が起きるのはプラス思考の回数が足りないからだと短絡的に考えてプラス思考をいくら強めても、思った通りの結果を得られないことが起きます。

 

結局、何をやってもだめな自分の考えが浮上して罪悪感が増大してしまいます。プラス思考はマインドで出来た薬なので服用を誤るとマインドが強まりかえって苦しんでしまうのです。

 

嫌悪するような、感情が動かされる出来事、気にさわる他人の行動などは影に追いやった自分の一部です。それに同調するために心が動くのです。外側に感じていた問題は自分の内側にもあります。あいつは気に食わない奴だと他人を自分と切り離してみますが自分の中にも同じ要素を持っているのです。自分の中にはすべてがあります。

「引き寄せの法則」は文字どおり自分にふわしい出来事を引き寄せることですが、自分ではないと分離して影に追いやった苦しみも大切な自分なので引き付けるのです。

自覚できていない意識の領域があるとその領域を自覚するような出来事を宇宙が確認するために引き寄せます。

自我は思考で影を作り否定した自分を切り離して見えないように暗闇にしまいます。宇宙は光に満ちているので闇があれば照らしだします。思考が光を遮って闇を作るので思考で闇を消すことができません。闇は光の不在です。気づきが光です。光がさすと闇は一瞬にして消えます。

 

人生に失望し自分に絶望して、すべてを存在の流れに明け渡した時、覆いが取れて光がさして闇は消えます。光がさすということは思考が本当の自分ではないことに気がつくことです。そのことを光明を得るといいます。

本当の自分を自覚するとあるがままの世界があらわれます。外側の世界と内側の世界、絶望と希望の二つ世界を同時に生きられるようになります。