Wi-Fi vs 3G | IT徒然草 (gaia)

Wi-Fi vs 3G

今日とあるミーティングで、「Wi-Fi vs 3G/LTE」という議論になった。これは昔から言われている「ネット屋 vs キャリア屋」系統の話。

論点は大雑把に言えばこんな感じ。

Wi-Fi論
 ・インターネットベースでQoS(品質保証)も無いデータ通信
 ・チップも安い
 ・デバイスもたくさん(DSとか)
 ・やろうと思えばコストパフォーマンスは安め
 ・儲けになりにくい
 ・ある意味暫定的(5~10年生き延びる)

3G/LTE論
 ・キャリアが品質確保するデータ通信
 ・面的カバーは圧倒的に優位
 ・但し投資コストはハンパねぇ
 ・チップも当面高い
 ・でも儲けやすい
 ・長い目で見れば最も優位

「手軽」「簡単」でも「品質はそれなり」の人たちと、「投資規模勝負でスケールメリットが大きい」「QoS」の世界。「吉野家の牛丼がいいか、お母さんの手作り夕飯がいいか」みたいな議論であるが、言い換えれば、ビジネス環境がいろいろ遷移する中、昔からの技術屋やマニアックな世界が厳然と生き残るテーゼなのかもしれない。

そういう話を聞いていて思うのだが、昔と比べて現在大きい違いがあるのは「乗り換えコストが安いこと」「アプリケーションはデバイスに依存しにくいこと」だと思う。なので、消費者目線で言えば「どっちだっていい」に尽きる。

ドコモからXperiaが発売されて、「iPhone vs Android」みたなスマホ文化が発展しつつある中、安くてできるだけつながればどっちだっていいと思う人間が多分マジョリティーだろう。

結果、その中で人々は右往左往しながら選び、時にはハイブリッドや2台持ち、時には一方に偏り、結果いいとこ取りをしようとして彷徨っているに過ぎない。

私が見る範囲では、LTEってのは技術的に結構な優位性を持っているのだが、その時にソフトバンクやドコモはキャリアとして本当に投資余力を持っているのだろうか、非常に疑心暗鬼になっているのが私の本音である。

総務省の「規制緩和かよ?」と思う施策が出てくる中、競争環境が整うこと自体は消費者にとってありがたい話ではあるのだが、LTEという投資力を必要とする世界になった時、日本のキャリアが果たして国際競争力を持てるのかどうか、はなはだ疑問である。

下手をすると、海外キャリアやどこぞやの投資ファンドにキャリアが買収されてしまうし、そもそもその前にキャリア自体がパワーを無くして端末メーカ席巻の時代がやってくるに違いない。ノキアやHTC、ファーウェイやLG、サムスンなどなど、ヘゲモニーが遷移すること請け合いだ。

せっかくの日本のモバイルイニシアチブが欠損しないかどうか、今からヒヤヒヤであると思った今日一日である。