地デジ導入 コピーガードは必要なのか? | IT徒然草 (gaia)

地デジ導入 コピーガードは必要なのか?

我が家にもとうとう地デジが。といっても、液晶テレビを買ったわけじゃない。PCに挿す地デジチューナーのボードだ。

テレビもそろそろ液晶に、と思ったりしてるが、調べるとPCでの地デジ受信にはそれほど費用がかからない。おまけに去年PCのディスプレイを大きいのにしたし、TVにつなげてるHDDレコーダーも満杯になってくると、よく考えればPC録画をメインにしたほうがコストパフォーマンスが良いだろう、という結論に。

ということで、早速8,000円程度のボードを購入。無事に視聴も録画もでき、利便性の高さを感じた。

さて、以下はかなりグレーな話。

日本で販売されている地デジ録画機器は、通常コピーガード機能の搭載が義務づけられている。業界用語では「エンフォースメント」というらしい。「ダビング10」という言葉を聞いたことのある方も多いだろう。

しかしPC接続用地デジチューナーの中には、このコピーガードが外せるものがある。有名なのは「フリーオ」という装置。USB接続タイプの場合、デスクトップPCやノートPCにフリーオをUSB接続すると、PC内にコピーフリーな動画ファイルとして保存できる。

この装置はかなり有名なので、業界誌や各種記事などで取り上げられたりしているが、実はそれ以外の地デジチューナーでもいろいろなテクニックを駆使することで同じことができるのである。

地デジ:著作権保護技術無効の装置出回る 有効な対策なし(毎日.jp)
http://mainichi.jp/select/today/news/20090629k0000e040073000c.html?link_id=RTH02

それにしても、そもそもテレビ放送にコピーガードって必要なのか? 参考までに言うと、アメリカの地デジはコピーガードがかかっていない。

今もアナログのテレビ放送をHDDレコーダに録画し、DVDに焼いたりPCに取り込んだりすることができたのに、なぜ地デジになったらコピーガードをかけなければならないのか。

2011年7月に地デジしか存在しなくなったら、このコピーガードの義務化によって放送コンテンツがネットなどで無差別流通されないことになり、コンテンツ制作側と放送側はデリバリーコントロールしやすい状態になる。

しかし、私のようにテレビ放送の動画をiPodに入れて視聴したい人間からすると、甚だ心外である。ダビング10ではコピーができても、動画変換して別デバイスで見ることは不可能だ。

正直、テレビというものはたくさんの人に何回も見てもらってナンボだと思う。大衆へ同時に同じ情報を届けることができるのが放送というものの特性だ。この特性を活かして番組やコンテンツを制作し、社会的なムーブメントを起こし、新たなヒーローや市場を創出することが一番の成果になると思うのだが、しかしどうも最近は細かく細かく金を取ろうとしていて、結果的に市場縮小に自ら向かわせているような気がしてならない。

この件だけではなく、だんだん古き良き時代は去っていき、何事も厳格さや厳密さを以って運用される社会になってきた。まさに「世知辛い世の中」だ。